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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.528]鴨川の山中で「半農半電脳記者生活」15年の回顧と展望《その1》

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.528 2021.12.13                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1129》 鴨川の山中で「半農半電脳記者生活」15年の回顧と展望 《その1》 【2】《CONFAB No.529》 閑中忙話(12月5日~11日) 【3】《FLASH No.439》 野党共闘が潰えて、今度は「改憲共闘」が台頭するのか /日刊ゲンダイ12月9日付「永田町の裏を読む」から転 載 【4】《SHASIN No.458》 ■■ INSIDER No.1129 2021/12/13 ■■■■■■■■■ 鴨川の山中で「半農半電脳記者生活」15年の回顧と展望 《その1》 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  私が房総半島・鴨川市の山中で「半農半電脳記者生 活」を始めてから来年5月で丸15年になる。そのきっか けを作ってくれたのは故・藤本敏夫で、彼が亡くなって から来年7月で丸20年になる。なんとなく「一区切り」 という感じがするので、すでに何度も書き綴ってきたこ とではあるけれども、改めてこれまでを振り返りつつ里 山暮らしとその周辺の最近事情を伝えることにする。 ●昭和19年生まれの「一休会」結成  そもそもの発端は、私が50歳になった1994年に、ちょ うど10歳上の田原総一朗さんの還暦祝いの会が開かれ、 その会場で「そうか、俺もあと10年で還暦かあ…」とし みじみと思ったことにある。それからしばらくして昭和 19年の同年生まれである藤本敏夫や連合労組の政治局長 だった鈴木英幸らと語らって、19年生まれの知り合いを 集めて「一休会」を作った。  19年生まれには面白い人が多くて、主なメンバーを思 いつくだけ挙げても、政官界では中川秀直、丹羽雄哉、 額賀福志郎、細田博之(以上自民党でいずれも幹事長・ 大臣クラス)、故・岡崎トミ子、筒井信隆、峰崎直樹 (以上旧民主党の創立メンバー)、北川正恭(元県知事 →教授)、長野庬士(大蔵省→弁護士)。作家・記者で は大下英治(小説家)、船橋洋一(朝日)、故・岸井成 格、中島健一郎(以上毎日)、田勢康弘(日経)、川戸 恵子(TBS)。学者では猪口孝(新潟大学学長)。弁護 士では反原発の闘士=河合弘之。アーティストでは田村 能里子(画家)、故・山本寛斎(デザイナー)。ミュー ジシャンでは小椋佳(フォーク)、外山喜雄(デキシー ジャズ)、津田昭治(ギター)。実業家では似鳥昭雄 (ニトリ)、などまさに多士済々。  ちなみに、声を掛けて「興味はあるが暇がないのでな かなか参加できそうにない」という返事を貰ったのが、 袴田茂樹(ロシア研究者・青山学院大教授)と、先日亡 くなった中村吉右衛門(歌舞伎役者)。「群れるのが好 きじゃないんで」とハッキリ断られたのが藤原新也(写 真家)と辺見庸(作家)。返事がなかったのが椎名誠 (作家)、舟木一夫(歌手)、田中真紀子(政治家)、 故・船戸与一(作家)などだった。  昭和19年生まれにはどうしてこんな風に個性的という か変わり者が多いのかという話になり、そもそもこの年 に我々が生まれているということは、18年春からその1 年後までのまさに戦争末期というか断末魔の時期に子供 を仕込むだけの“ゆとり”があった両親だということで あり、その時期に戦争に行かないでそんなことをしてい た父親はもしかしたら「非国民」ではないのかという話 になって大いに盛り上がった。  私なんぞははっきりしていて、父親は労働運動家で、 反戦を唱えて牢屋に入れられたが結核が悪化して病院に 送られ、良くなるとまた牢屋に返されるということを繰 り返し、その合間に自宅で過ごすこともあったようなの で、自慢じゃないが「非国民の子」である。  その一休会の何回目の飲み会だったか、藤本が、かつ て三派系全学連委員長として多くの人を惑わせた名演説 の口調で、 「諸君、還暦はまさしく折り返し点である。そこから人 生二毛作目が始まる。二毛作と言えば、農である。21世 紀の日本は、再び農に帰って行く。農業とは言わない。 業としての農は今ではプロの農家さえもが担いきれずに 離れていく現実がある。そうではなくて、国民すべから く何らかの程度、土に触れ、例えマンションのベランダ に置いたプランターのパセリだけでもいい、農のある暮 らしを目指さなければならない」  というようなことを語った。「面白いじゃないか」と いうことになり、ではまず藤本が「農事組合法人・鴨川 自然王国」でどんな暮らしをしているのか見に行こうじ ゃないかということになり、鈴木や芸能レポーターの 故・梨本勝など会の有志5~6人で訪れたのが、鴨川に 接した最初である。 ●「鴨川自然王国」での農林作業ボランティア

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