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「戦後最悪の超過死亡はなぜ起きた?」「争族を防ぐための相続入門」

大村大次郎の本音で役に立つ税金情報
  • 2021/12/16
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つい先日の12月10日にも、日経新聞に超過死亡の記事 が掲載されました。 その記事によると、2021年9月までの日本の人口動態で は、約6万人の超過死亡が出ている。これは東日本大震災の 2011年を超える数値であり、戦後最大となっている、 ということです。 超過死亡というのは、例年に比べて死者がどのくらい多いか という数値のことです。 つまり、今年の日本は9月の時点ですでに例年よりも6万人 も多くの人が死んでいるわけです。 新型コロナでの死者は約1万2千人です。 だから残りの4万8千人はなぜ死亡したのでしょう? 超過死亡が増えているということは、今年の5月くらいから すでに言われていました。 朝日新聞も以前、7月までの超過死亡が記録的だということ を記事にしています。 東日本大震災というのは戦後最大の自然災害です。 この東日本大震災を超える、大災害が日本で何かありました でしょうか? 超過死亡6万人の死因はというと、一番多いのが新型コロナ で1万2千人。 次が「老衰」で約1万1千人。 その次が心疾患で約7千人となっています。 日本人の死因1位である癌は、あまり増えていません。 老衰というのは、特に重い病気だったわけではない高齢者が 急に死亡したときに「死因」とされるものです。 高齢者がよくわからない原因で、急に心臓が止まり死亡した 場合も、「老衰」とされることが多いようです。 日経新聞の記事では、ワクチンの影響などとはまったく触れ られることなく、「新型コロナによる医療ひっ迫が原因では ないか」と結論づけています。 が、医療ひっ迫によって死者が増えたというのであれば、癌 の死亡者が多くなるはずです。 日本人の「死因」で一番多いのは癌ですし、癌は検査や治療 が必要な病気ですから、医療がひっ迫したときにもっとも影 響を受けるのは、癌なはずです。 しかし、癌による死亡はあまり増えておらず、老衰、心疾患 が急激に増えているのです。 老衰は医療の力で防げる死因ではありませんので、老衰が増 えたのは医療ひっ迫が原因ということでは絶対ないはずです。 だから、日経新聞の言う「医療のひっ迫が超過死亡の主要因」 という説は、明らかにおかしいのです。

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  • 元国税調査官で著書60冊以上の大村大次郎が、ギリギリまで節税する方法を伝授。「正しい税務調査の受け方」や「最新の税金情報」なども掲載。主の著書「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)
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