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オミクロンがやってきた

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室120.2021.12.19. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *********************************** オミクロンがやってきた COVID-19パンデミックですが、日本では第5波も終息し落ち着いた状況となっています。皆さんがよくご存知のように大流行した“デルタ株”は、非常に毒性が高い株で、若年者でも重症化することがよく知られています。しかし終わってみれば、三重県の第5波デルタ株致死率は0.5%であり、第4波までの致死率の2%と比較すると非常に低い数値となっていました。なぜそのようなことになったのか考えてみました。 1つ目は治療方法の進歩です。特にロナプリーブを始めとする“抗体カクテル療法”は非常に有効で、早期の段階で使用すれば、ほとんど重症化を防ぐことができました。また挿管しての呼吸器管理の技術の進歩、薬物療法の進歩があったことも事実です。 しかし最大の理由は“ワクチン接種”だと思います。高齢者や基礎疾患がある人に優先的に早くワクチン接種したことにより、重症化するのは基礎疾患がなくワクチン接種をしていない若年者でした。若年者はもともと元気なのでしっかり治療したら助かります。しかし高齢者はCOVID-19に罹患してしまうと助からないのが現状です。この弱い部分に対して一早くワクチン接種をしたことにより、その人たちがデルタ株に罹患しなくなり致死率が非常に下がったと思われます。 オミクロン株はどうでしょうか。現在のところ、日本においてまだパンデミックの状況になっていませんが、世界的にはパンデミックとなってきており、日本でも流行するのは時間の問題だと思います。そんな中、まだ基礎的なデータは出揃っていないのですが、“抗体カクテル療法のロナプリーブはオミクロン株に対して無力だ”と言われています。また“オミクロン株はそれほど毒性が高くないのではないか”とも言われておりますが、まだまだわかりません。 いくら毒性が高くなくても、基礎疾患がある人や高齢者が罹患すると死に至る事は容易に推測がつきます。このことは第4波までの結果から推測できることです。

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