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なぜ「多様性を」と言いながら多様性を否定する人たちがいるのか 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.684

佐々木俊尚の未来地図レポート
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 佐々木俊尚の未来地図レポート     2021.12.20 Vol.684 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.pressa.jp/ 【今週のコンテンツ】 特集 なぜ「多様性を」と言いながら多様性を否定する人たちがいるのか 〜〜「専業主婦論争」の歴史を振り返りつつ多様性問題を考える 未来地図キュレーション 佐々木俊尚からひとこと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■特集 なぜ「多様性を」と言いながら多様性を否定する人たちがいるのか 〜〜「専業主婦論争」の歴史を振り返りつつ多様性問題を考える ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「多様性が大事」といいながら、価値観の多様性を認めず、みずからの価値観の優位性でマウントしようとする動きが近年、あちこちに広がっているように感じます。 少し前に、わたしが出演しているネットの報道番組「アベマプライム」で、少子高齢化の議論をしました。ジェンダーギャップをなくして、男性も育児や家事を積極的に行うようになれば少子化問題は防げるのではないかという論点でした。 これはわたしもまったく同意です。わが家は子どもはいないので育児経験はないのですが、家事について言えば妻と同居して以来20年、ずっとわたしが毎日の料理とゴミ出し、日用品の管理補充などを担当しています。妻は洗濯と掃除の担当です。だからわが家では「夫が家事を手伝う」というような言い回しが使われることはいっさいありませんし、「やれる人間がそれぞれのやれることをやる」という日常が定着しています。少なくとも家事についてであれば、わが家にはジェンダーギャップはありません。 そしてアベマプライムでは「夫婦のあり方はもっと自由で良いし、それぞれの得意なことを持ち寄って全体最適化すればいい。男女ともに働いてもいいし、片方が専業主婦や専業主婦夫になってもいいのでは」とコメントしました。驚いたのは、これに対して「多様性に逃げてはならないのでは」という意見が出たことでした。つまり「専業主婦も多様性のひとつ」と認めてしまうと、いつまで経ってもジェンダーの問題が解決しない。多様性よりもジェンダーギャップを縮めることの方が大切だという論旨です。

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