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ビジ選☆リーダーズ Vol.930『The Number Bias数字を見たときにぜひ考えてほしいこと』(サンヌ・ブラウ)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■数字を見た時、考えてほしいこと 現代は、すべてが数字で決まる世界だ。年金支給開始年齢、フェイ スブックのクリック数、GDP、平均年収などの数字が、世界のあり 方を決めている。 数字の力はますます強くなる一方だ。ビッグデータのアルゴリズム は、公共でも、民間でも大きく勢力を広げている。もはや物事を決 めるのは、人間でなく数字モデルなのだ。 人は、数字を根拠に飲むもの・食べるものを決め、住む場所を決め、 結婚相手を決め、誰に投票するかを決め、ローンを組んで家を買う かを決め、どの保険に入るかを決めている。 病気になったと判断するのも、治ったと判断するのも数字だ。人の 生死さえも、数字が決めているのだ。人間に選択肢はない。数字に 興味がない人も、数字に人生を支配されているのだ。 何もわからずに支配されるべきではない。数字は人が作ったのだ。 数字を必要以上に神聖視してはならない。だが、ゴミと一緒に捨て てしまうのも間違っている。 ★ 歴史を振り返ればわかるように、政治家は常に数字を悪用してきた。 たとえば、アルゼンチンでは、長年にわたってインフレ率が操作さ れてきた。実際よりも低い数字になっていたのだ。 政府から独立した統計専門の組織があれば、政治家の数字悪用を防 ぎ、真実を知らせることができる。それでも、数字は人々の生活を 向上させるのと同時に、破滅させる力もあるのだ。 大量の数字を扱う時、最も大切な道具は「標準化」「収集」そして 「分析」だ。しかし、この3つの道具も完全無欠ではない。時には とんでもない事態を引き起こすこともあるからだ。 ★ 知能のような抽象的な概念を標準化する時、そこは必ず研究者の主 観的判断が介在する。こう書くと数字には何の意味もないのかと思 うかもしれないが、そんなことはない。 数字には、数字がなければ見えなかったような隠れたパターンを明 らかにする力がある。だが、数字に間違った期待を持つのは危険だ。 数字はいつも客観的だと信じ込まないように注意すべきだ。 数字は思考停止の言い訳に利用されることもある。「これは私の責 任ではない。ただ数字がそう言っているだけだ」というセリフを聞 いたことがあるはずだ。 この世界は複雑だ。もし数字を重視するなら、数字の限界も知って おくべきだ。たとえば数字の裏には、誰かの主観的な判断が潜んで いることばある。 また、世の中には数値化できないものも存在すr。そして数字が語 らないこともたくさんある。数字は絶対的な真実ではないのだ。た だ単に真実を理解する助けになってくれるだけなのだ。 ★ もちろん、数字には、物事の隠された姿を見せてくれる力がある。 たとえば、治療の有効性を検証できる。IQを使えば、子どもの発 達をより詳しく知ることができる。 黒人と白人の間にIQの違いがあることがわかれば、格差を認識す るきっかけになる。つまり、数字は会話の結論でなく、むしろ出発 点なのだ。数字をきっかけに質問を重ねることなのだ。 たとえば「調査の過程でどんな選択や決断があったのか?」「この 差はどこから来るのだろう?」「この数字は政策にどのような影響 を与えるだろうか?」という具合だ。 そして、もっとも大切な質問は「この数字は、私たちが大切だと信 じているものを正しく計測しているだろうか」という質問だ。この 質問を繰り返すことで、数字は真実を理解するツールになるのだ。

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