1.全世代型社会保障構築会議とはなにか
岸田政権下では、いくつかの新しい会議体が作られています。
新しい資本主義実現会議については、第16回:岸田総理の「新しい資本主義」を読み解くでその位置づけを理解し、選出された民間議員のバックグラウンドなどからこれから重点を置かれる政策を読み解きました。
今回は全世代型社会保障構築会議(以下、岸田会議)を取り上げます。
同様の会議は、菅政権下でも置かれていました。全世代型社会保障検討会議(以下菅会議)といいます。今回は、これをリニューアルした位置付けです。岸田政権になって看板、構成が変化したということです。
岸田会議の議論内容はどう取り扱われるかについては、はっきりとした説明はされていませんが、岸田会議の担当である山際大臣によれば、
・年内に中間とりまとめ
・議論の内容を来年6月にまとめられるであろう骨太の方針に盛り込む
予定であることが明らかにされています。
議論の内容は「看護、介護、保育などの現場で働く人の給料引き上げ」が具体的なトピックとして挙げられています。また、全世代型社会保障についても議論される予定だとされています。
でも全世代型社会保障といっても何のことをいっているのか、はっきりと理解できる方はいないのではないでしょうか。
その答えを探るために、これまでの政府内での議論や岸田会議での委員の発言を整理したところ、岸田政権と菅政権の社会保障に対するスタンスが大きく違うことが浮かび上がってきました。
2.岸田政権と菅政権の社会保障に関するスタンスの違い
菅政権が岸田政権になったことで、実現したい政策の方向性、重視する業界も少し変わったように感じます。
菅会議の民間議員(有識者)は以下のような陣容でした。
遠藤久夫 学習院大学経済学部教授
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)