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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第456号2021.12.14配信分
●災い転じて福と成したはいいが……
大事な視点がある。「今ある日本の状況は有史以来初めて経験するものだ」
という事実である。日本史が紡がれるようになったのは諸説あるようだが、イ
メージしやすいのは6世紀後半から8世紀初頭までの『飛鳥時代』だろうか。
大化の改新(7世紀中頃:西暦645年だったっけ?)に始まる律令制の確立が
天皇を核とする現在の国の形に行き着いている。大雑把な括り方だが、およそ
1400年の歴史のつながりとして今がある。
ここまでの流れは常に不可逆的な一方通行であり、フィジカルな意味で時代
が後戻りしたことはなかった。唯一の例外は総人口の推移で、それまで飢饉や
戦乱(内戦)による凸凹はあったとしても2008年に1億2800万人余でピークア
ウトするまではずっと右肩上がりだった。しかし、現在はすでに減少に転じて
干支がひと回りしたところにある。
とはいえ、鎖国の江戸期に3000万人台で推移した人口は、明治維新後の工業
社会に突き進む西欧化で急増。日清日露/第一次世界大戦の戦勝国から史上初
の対外戦敗北に至る大東亜戦争(太平洋戦争は戦勝国の後付けによる命名とさ
れている)の無条件降伏時には倍増以上の7000万人を数える。さらに戦後復興
期に奇跡といわれた高度経済成長の頂点(1970年)には1億人超えとなった。
ここで戦後最大の試練とされる第一次石油危機(1973年)にともなう深刻な
不況を経験。高度経済成長の負の遺産ともいわれた公害問題(自動車排出ガス
規制)も合わさって経済の停滞はがやってくる。それでも人口動態は一貫して
プラスを示し続けた。
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