松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2021年12月24日発行 /Vol.496(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.妻から「老々介護に向けて下半身の脱毛をしておいて」と言われました。てっきり冗談かと思っていたら、どうやら世間ではけっこう一般的な話になっているようです。いわゆる下の世話をするときに体毛があると邪魔だからということなんでしょうけど、恥ずかしくて絶対やりたくありません。介護を「される」ために、松尾さんはなにか準備されていますか?(56歳、男性)
A.脱毛、たしかに大事と聞いていまして、いつかは越えなければならない壁だとは思っているのですが、わたし、ご存じの方はご存知とは思いますが、体毛がやたらと濃いのです。特にお尻が、めちゃくちゃ汚いのです……。どんな風俗に行っても、お尻近辺を触られるのだけは頑なに拒んできたくらいコンプレックスがあるのです。それを赤の他人に見せなければならぬ苦痛のことを、つい考えてしまう。毛が濃ければ濃いほど脱毛は必要なのに、いったい誰に、これを頼めばよいのやら。とてつもなく憂鬱ですが、その時が来てからでは遅い、とは思っています。あとは介護資金ですね。子供もいないので、先々のことを考えると、まだまだ遊んではいられないな、と思っています。とはいえ、おのれの残りの人生を汚さないため、もう、やりたくない仕事はやらない、という覚悟もしているのですが。
Q.年末年始に帰省するつもりなのですが、同じように帰省する予定の兄夫婦がいわゆる反ワクチンの人で、姪っ子も含めて、いまだにコロナワクチンを受けていません。去年の正月は帰れなかったので今年こそ帰りたいのに、夫は、兄家族がいるなら帰省しないと言ってます。お仕事柄、松尾さんの周りにはさすがにいらっしゃらないと思うのですが、こういった考え方の違う人を説得する方法があれば知りたいです。よろしくお願いします。(34歳、女性、主婦)
A.説得はできない、と思います。お互い家族がいるなら、なおさら難しいですよね。反ワクチン派には反ワクチンの自由がある国ですから。自分のカンパニーに反ワクチンの人間がいても、わたしは「打ってください」とは、とても言えません。正直、自分も2回めの接種のとき、とても苦しい思いをしたので、やっぱりヤバいやつなんじゃないの? という思いが拭いきれていないからです。ほんとに反応も人それぞれですから。気になるなら、正直な気持ちを打ち明けて、お互いの立場を認め合い、マスク会食にするのか、帰省をずらす、とかするしかないと思います。でも、もう国も今のところ規制を外してますし、酒場に行けば他人同士が大声でわいわいしてますし(まあ私は、わいわいしている店には、まだ行きませんけど)、オミクロン株が流行る前に一時間程度一緒にいるぐらいなら大丈夫なんじゃないかと、適当なことを考えているわたしは、だめなんですかね?
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)