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佐々木俊尚の未来地図レポート 2021.12.27 Vol.685
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【今週のコンテンツ】
特集
なぜ21世紀になって「知識人」の権威は失墜してしまったのか
〜〜「20世紀の神話」は今こそ終わらせるとき(第8回)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
なぜ21世紀になって「知識人」の権威は失墜してしまったのか
〜〜「20世紀の神話」は今こそ終わらせるとき(第8回)
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旧来の「知識人」の権威は、SNSの普及でみごとに失墜しました。ツイッター上を見わたせば、読者の皆さんも思い当たる人が何人も何人も目に浮かぶでしょう。もちろん「専門知」そのものがダメになったわけではありません。そうではなく、専門領域ではだれもが認める業績を残しているような人が、政治や社会など専門外のことにコメントしたとたんに「あれれ……先生そんな認識だったの?」と呆れられる、という事態がSNSが普及してから頻発するようになったのです。
冷静に考えれば、すばらしい専門知の持ち主であったとしても、専門外の分野にまで良き「知」を持っているとは限らないというのは、当たり前の話です。しかし前世紀のころは、そうではないと皆がなんとなく思っていました。「知識人の先生が言うことなんだから、たぶん正しいのだろう」とふわりと受け止めている人が多かったのです。
その背景には、情報のほとんどがテレビ・新聞・ラジオ・雑誌というマスメディアを経由していたことがあります。情報の経路がこの4つのマスメディア(略して「よんます」という呼び方もありましたね)に独占されていたので、これらを信頼するしかなかった。そういう「独占による信頼」という構図がネット以前のメディア空間にはあったのです。
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