■「共感力」を高める3つの方法
世界的なパンデミックの広がりもあり「リアル」と「リモート」を
内容や状況によって使い分けるハイブリッドな対話力が求められて
いる。
環境が変わる以上、対話のスタイルも変わらざるを得ない。たとえ
ば、対面形式での会議などリアルな対話で通用した無言の圧力は、
リモート会議の場では回線の故障と間違えられる。
語り手以外はミュートに設定されている場では、自分が話す時に助
けてくれる人はいない。そこでは、一人語りのスピーチをしなくて
はならないのだ。
反対にリモート会議のほうが、直に話すよりラクな面もある。だが、
それに甘えていると、リアルな場での対話ができなくなる。相手の
息づかいや空気、目力に萎縮して言葉を失ってしまうからだ。
現代は、新しい対話力が求められる時代なのだ。そんな時代に一瞬
で相手の心をつかみ、自分の意見を通すには、そのための対話力を
身につける必要があるのだ。
★
対話でまず必要なことは、相手の意見を受け止められる「共感力」
だ。相手を受け入れる心の器ができてはじめて対話できる環境が整
うのだ。
「共感力」を高める方法は3つある。1つめは、雑談で打ち解ける
ことだ。とはいえ「さぁ、雑談をはじめよう」と言っても、話は弾
まない。最初のひと言で、五感を共有する必要がある。
参加者全員が同じ環境、空気感の中にいないリモートでは、最初に
五感を共有しておかないと、要件だけのやりとりで終わってしまう。
これでは人間関係を深めたり、信頼を厚くしたりするのは難しい。
世代や業種を問わず、簡単に打ち解けられる最初の言葉は「どこか
ら参加していますか?そちらは暑いですか?(天気の話)」だ。天
気の話題、は簡単に相手と五感を共有できるキラーコンテンツだ。
★
2つめは、傾聴力で信頼を築くことだ。「色々教えてください」と
謙虚に聞き、丸ごと暗記するほど「傾聴」する。沈黙を恐れず、返
答の言葉も不遜にならないようにする。
その時「大名言葉」に気をつける。「大名言葉」とは、江戸時代の
大名が、家来に向けて放つような偉そうな言葉のことだ。たとえば、
「なるほど」「了解」「ご苦労さま」だ。
話を聴くだけでは終われない。最後は自分の意見を通しつつ、相手
の満足を引き出し、行動に移してもらうことがゴールだ。そのため
には、相手の話を鵜呑みにせず、時には「疑う」ことも大切だ。
相手が言った言葉を「そうじゃないんじゃないか?」と疑ってみる
ことだ。そして「だって」を入れて、疑った理由を考える。理由を
3つ考えると、共感力が高まる。
★
3つめは、スピーチアクションで心をつかむことだ。うなずく行為
は、相手に送るものだ。「伝わっているよ」「よくわかるよ」と相
手にエールを送るのだ。
対話で共感力を呼ぶアクションの中で、もっとも大切なものが、う
なずくことだ。ただ黙ってうなずくだけでなく、時折相づちも入れ
る。「相づち」とは、聞き手側が発する合いの手のようなものだ。
ただし「はい」は2回までだ。3回になると小馬鹿にしている感じ
なので要注意だ。「はい」や「そうですか」の他にも「すごいです
ね」「素晴らしいですね」など、相手を前向きにする言葉も有効だ。
いずれにしろ、自分が相手の味方であることを示すことだ。エール
を送る代わりに首を縦に振ったり、合いの手を入れるのだ。心を込
めて真剣にリアクションするべきだ。
さらに、話の内容以上に、話し手の外見や見た目から是非を判断さ
れる。「内容さえよければ見た目は関係ない」というのは間違いだ。
自宅から映像を発信する今、自分の外見を見直すべきだ。
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