■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第457号2021.12.21配信分
●既存メディア界の斜陽とCOTYの現実
2021/2022COTYで3番目のポイントを稼いだのはホンダだった。一時期
は青山本社広報部挙げてのお祭騒ぎで、今はなき本田技術研究所(栃木)開発
部門と広報が一体となった『賞獲り合戦』でイベントを盛り上げた。その伝統
が生きているのか、今回はヴェゼルという二代目のSUVで手堅く票を集めて
いる。フルマーク10ポイントは5名。それぞれ4位、6位の三菱アウトランダ
ー(12名)、トヨタミライ(7名)を下回ったが、選考委員60名中50名が配点。
2位トヨタ86/SUBARU BRZ(264点)に迫る227点まで積み上げた。
既に説明したように、COTYは選考委員各自25ポイントの持ち点の内10点
をCOTYとして推すクルマだけに配点。残る15ポイントを4車に振り分ける
決まりだ。2位に9点を与えて残る6ポイントを3車に振り分けても良く、そ
こには約束事がない。ヴェゼルの場合10点は少数だが、残りの177ポイントに
ついては配点者45名の平均が3.93ポイントという”そつ”のなさ。
この手のプライズにはブランドとの相性(好き嫌い)が付き物だ。社会の縮
図と考えれば、目くじらを立てるまでもない。ホンダ(広報部門)の敵を作らな
い如才なさには、ある種伝統芸の趣さえある。同社の企業体質はここに来て大
きく変化する兆しを見せているが、その前にはDXに象徴されるデジタル化が
進まない日本社会の変化を阻む現実が立ちはだかる。
COTYは、その初回から数えて40年が過ぎている。既存メディア界の斜陽
もあって、選考委員に若い世代の参入が乏しくなった。高齢化とともに従来価
値観の踏襲が進み、競争の結果として当然生まれる変化がない。摩擦の少なさ
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)