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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.132
2021.12.30
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目次
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【1】 『孤独感から脱却して、
自分や他人を傷付けるのはやめよう』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『孤独感から脱却して、
自分や他人を傷付けるのはやめよう』
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自己否定に陥る人
今月18日(土)、神田沙也加さんが公演先の札幌市内のホテルで転落死されたとの速報が流れた。自殺されたものと思われる。
突然の知らせに驚いたのだが、わたしのまわりの複数の人は「意外ではない」という反応。軽々しくは言えないが、心の強い・弱いでいえば、弱さ・危うさを感じたという。
ディズニー映画「アナと雪の女王」(2014年)のアナ役や、「レ・ミゼラブル」「マイ・フェア・レディ」などの数多くのミュージカルでの成功が報じられており、声優、女優と幅広く順調に活躍をされていた印象だったので、大事な舞台を控えてお亡くなりになったという今回の知らせは、本当に驚きだった。
人生は山あり谷あり。困難に立ち向かったり、困難から逃げたり、いろんなことをして生きるのが人間。
神田沙也加さんの場合は、ご両親が超有名人という境遇に生まれ、普通の人では体験しないような辛い思いをしてきたのかもしれない。だが、誰でも多かれ少なかれ困難に直面し、辛い思いをしながらも生きている。
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孤独感を募らせ、心を蝕(むしば)む
心の病でいうと、年の瀬に衝撃を受けたもう1つの大きな事件、それが今月17日(金)大阪・北新地の心療内科クリニックで起きた放火殺人事件だ。
西澤弘太郎院長の評判はとても良く、「西澤先生に救われた」という人がたくさんいるという。
意識不明の重体となっている谷本盛雄容疑者は、脳に深刻な障害を負い、事情聴取ができるような回復は難しいという。
今回の動機については不明のままだが、谷本容疑者は2011年4月に元妻の家で長男を包丁で刺して逮捕されており、大阪地裁の裁判記録には以下のように記されている。
「元妻に復縁を申し込むも断られ、寂しさを募らせて自殺を考えるようになったものの、死ぬのが怖くて踏み切れず、“誰かを殺せば死ねるのではないか”と考え、元妻や長男を道連れにしようと思うようになった」
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人の責任とは
ところで、「精神が100%異常を来していたら、人を何人殺しても無罪なんですか?」と、よく聞かれる。
重度の統合失調で、まったく自分の意思で自分の行動をコントロールできないような状況にあれば、刑法の理論では「無罪」だ。
そう答えると、「なぜなんですか?」と聞かれる。この点は、「責任の根拠」をどう考えるべきか、と深い関係がある。
刑法理論においては、人間の責任の根拠を、「自分の意思で自分の行動をコントロールできるのに、あえて犯罪を選択した(あえて人を殺した、あえてものを取った)」というところに求める。
だから、たとえば高度な催眠術があり、人をロボットのように動かすことができた場合には、「自分の行動をコントロールできない。だから、そこに責任を問うことはできない」となる。これが刑法の大原則。
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