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Vol.411】冷泉彰彦のプリンストン通信『オミクロンとアメリカの政治経済』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「英語の映画でリスニングの練習をする方法」  英会話に関する本やネットの情報の中で、「英語の映画を字幕なしで」見 られるようにするという話題がかなり取り上げられているようです。方向性 は2つあり、「字幕なし」で見ることが聞き取り(リスニング)の練習にな るという考え方と、最初は難しくても「字幕なし」で英語の映画を見ること を当面の目標にしようという考え方があります。  つまり、手段にするか目的にするかというわけですが、教材なりカリキュ ラムの設計ということでは違っても、学習者本人にとってはこの2つは基本 的には変わりません。要するに英語の映画が「字幕なし」で聞き取れるよう になればいいのです。そして、仮にそうなれば楽しいし、英語力として大き な飛躍になるのは間違いありません。  では、実際にどうしたらいいのかというと、その種の本やネット情報には 実はあまり具体的な方法論は書かれていないのが実情です。  そこで、私の経験を踏まえた方法論をご紹介したいと思います。私の経験 というのには、自分が映画を見てきた経験ということもありますし、もう一 つ、自分の「前の人生」で民間ベースの語学教育に関わっていたことから、 多くの語学指導メソッド研究者と意見交換した経験も含みます。  英語の映画を「字幕なし」で見る方法ですが、2つ重要なポイントがあり ます。1つは、学習方法です。こちらをまず、具体的に説明します。その上 で、2つ目に大事なのはどんな作品を選ぶかです。何を見てもいいわけでは ありません。作品のチョイスというのが、学習の成否において決定的に重要 です。何を見ても学習になるというわけでは全くありません。  まず学習方法ですが、必要なのは「英語の字幕」表示と、その字幕が「オ ンオフ」できる機能です。その上で、次の3段階の学習を行います。「第1 段階」は英語の字幕をオフにして見ます。そして大変でも最後まで見るよう に努力します。  その場合に、初級者の場合には、途中で「人間関係が分からなくなった」 とか、「意味不明な箇所が多くなって退屈になってきた」という事態に陥る ことがあると思います。場合によっては「分からない英語の洪水の中で眠く なってきた」ということもよくあります。  これは全く自然なことで、特に疲労感が出てきたというのは、初級者なり に脳の言語中枢が頑張ってきた証拠であり、そこまでの時間が全く無駄にな ったわけではありません。  と同時に、このように「分からない」「退屈」「眠気」という状況に陥っ た問いうのは「ある決定的なこと」を示しています。それは、 「この作品は、今、あなたが見るべき作品ではない」  ということです。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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