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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第458号2021.12.28配信分
●変えずにやって来たツケを今になってドッと払わされている
不思議な時の流れが過ぎようとしている。2年前の今頃、それからの世界的
混乱を予想した者は稀だったはずである。2019年12月の大晦日といえば、前年
の11月19日に日産自動車の取締役会に出席するためにプライベートジェットで
羽田に降り立ったところでC.ゴーン同社代表取締役会長が逮捕拘束される。
世界的な自動車メーカーのトップが、社内ガバナンスを飛び越えていきなり
東京地検特捜部に逮捕・起訴される。前代未聞の衝撃的な事件から1年余り過
ぎたタイミングだった。その逮捕から公判に至るまでの道筋の不透明さに加え、
司法と一体化したかのような検察行政当局の不可解な慣行。さらには記者クラ
ブを中心としたメディアの(一方の当事者である日産と検察当局からの)リーク
情報垂れ流しという、戦中の大本営発表のような言説が日本国中に満ち溢れた。
有罪率99.4%という検察(のしか東京地検特捜部)が逮捕・起訴したことの意
味は、何がなんでも有罪にするという意志の表明であり、どれだけ時間をかけ
ても目的達成に固執する。
生活の拠点を国内に置きそこで暮らすことを最優先に望む日本国籍の持主な
ら、あえて国とは争わずに屈する考え方もあった。だがしかし、C.ゴーン氏
はブラジル生まれのレバノン系フランス人であり、それぞれの国籍を保有する
コスモポリタン。多くの健忘症の日本人は経緯を覚えていないが、元々が日産
再建を託され請われてやって来た立場であり、結果的に18年に及んだ経営トッ
プの座はゴーン氏の世界的名声を思い知る(日本人)経営陣がその価値を認め
て慰留したからに他ならない。
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