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第149号 リセット感と大臣折衝/たかがイワシ、されどイワシ/雑煮/初夢ダブルパワー

きっこのメルマガ
  • 2022/01/05
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「リセット感と大臣折衝」 年が明けてお正月を迎えると、昨年までの嫌な出来事、悪い出来事が全て自動的にリセットされ、まっさらな気持ちで新たにスタートを切ったような気分になります。特に今年の場合、日本だけは不思議なことに新型コロナの感染拡大が少し落ち着き気味なので、感染爆発の最中に迎えた昨年のお正月と比べると、この「リセット感」もひとしおです。 しかし、多くの人々が覚えるこの「リセット感」を利用して、国民など二の次の我田引水の悪政を続けて来たのが、今の自公政権なのです。 2019年10月、当時の安倍政権は、消費税率を8%から10%へ強引に引き上げ、その分、バーターで大企業へ優遇措置をバラ撒き、ようやく回復の兆しが見えて来た庶民生活を泥沼へと引きずり戻しました。しかし、安倍政権にとっては、夏の参院選が終わり、あと少しで年が改まるというこのタイミングでしか、国民の批判を買う政策を強行するチャンスがなかったのです。 そして、年が明けて2020年を迎えたとたんに新型コロナが始まったため、安倍政権は景気悪化の原因を全て新型コロナに転嫁し、消費税増税という根本原因を国民の記憶から忘却させることに成功したのです。これが、年が改まることによる「リセット感」の効果です。 今回も、アベスガ政権の「やってるふり政治」を見事に踏襲した岸田政権は、昨年12月6日から僅か16日間しか開催しなかった臨時国会の大半を「クーポン券だ」「現金だ」と、多くの国民にとってはどうでもいい公明党の公約などのために無駄遣いしました。そして、目の前に山積された重要課題は片っ端から先送りしたくせに、過去最大の35兆9895億円という補正予算だけはちゃっかりと強行採決し、逃げるように21日に閉会しました。 これほど自公政権が好き放題できるのも、年が改まれば多くの国民が「リセット感」によって、自公政権の悪行三昧を「過ぎ去ったこと」にしてしまうからです。しかし、自公政権の真の悪質さが分かるのは、この臨時国会ではなく、臨時国会の閉会直後なのです。国会の審議は議事録が残りますし、映像もアーカイブされるので、後から確認することができます。しかし、閉会後の閣僚同士の協議は、詳細を確認することができません。それが「大臣折衝(だいじんせっしょう)」です。 国会議員の仕事は、国民から徴収した税金を正しく再分配することなので、国会では「予算委員会」が行なわれます。今回の臨時国会の「予算委員会」では、過去最大の約36兆円もの補正予算が、自公政権の数の暴力によって強行採決されました。 しかし、これは、各省庁によるザックリとした「税金の奪い合い」であって、細かい内容はほとんど決まっていません。そして、それを決めるのが、国会の閉会直後に行なわれる「大臣折衝」なのです。簡単に言えば、各府省の大臣が、財務大臣と個別に協議をして、奪い取った予算の細かい調整を行なうわけです。 で、今回は、臨時国会が閉会した12月21日の翌日22日の午前中、さっそく公明党の斉藤鉄夫国交大臣と自民党の鈴木俊一財務大臣との大臣折衝が行なわれました。今回の国交省の最大の課題は「自賠責の運用益6013億円の未返済問題」です。知らない人のためにサラッと解説すると、国交省が車やバイクのオーナーに加入を義務づけている自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の運用益の大半は、政府、つまり財務省に貸しているのです。

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