メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

新年早々・・・

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室122.2022.1.9. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *********************************** 新年早々・・・ 皆さま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。話は変わりますが、新年早々の1月2日のことでした。私の母が警察に保護されたという連絡が入りました。 母は現在79歳で難治性喘息があり、吸入薬のシムビコートとスピリーバをきちんと吸入していたのですが、しばしば経口ステロイドが必要な喘息発作を起こしていたので、以前より抗IgE抗体のゾレアを使用しています。ゾレア開始後は喘息発作をきたすことなく、喘息のコントロールは良好です。一時期貧血を来たしたため、精査したところ大腸癌が見つかり切除しました。満身創痍ですが肉体的には元気で、喘息も癌も特に体に悪影響を与えることがない状況です。 数年前のことです。車の免許の書き換えから帰った母が突然“免許を返納してきた”と言いました。誰にも相談せず、突然の出来事に当惑したことを覚えています。思い返せばその頃からだったのでしょうか、母は認知症が進行し、2年ほど前までは父と一緒にどうにかこうにか自宅で暮らせていましたが、父がリンパ腫になり入院しなければいけなくなった時、急遽病院近くの介護老人施設に入所することとなりました。 認知症の人の介護の大変さは、経験した人でないとわからないと思います。認知症ですが肉体的には元気なので、少し目を離すとどこかへ出て行ってしまうわけです。私たちの病院でも認知症の患者さんが入院した時、特に夜間などに突然いなくなってしまって大騒ぎしたことが何度か経験があります。25年ほど前までは、出て行ってしまう恐れのある認知症の患者さんは“抑制”といって、ベッドに拘束することが行われていましたが、今は人権問題にも発展しかねないことなので全く行われていません。 基本的に体は自由に動けるため、夜間どこかに出て行ってしまい行方不明になった入院患者さんを何人か知っています。じゃあどうするのか、病院スタッフが1対1で付き添うほどの人的余裕などありません。そのため、比較的設備投資に余裕がある総合病院では、認知症患者さんのベッド周りにその上を通るとアラームで看護師詰所に知らせるような装置を設置したり、監視カメラを要所に配置するなど色々と対応しています。 それが介護施設だったらどうでしょうか。おそらく、そのような機器を設置しているところは少ないのではないでしょうか。夜間の出入り口は1つになるはずなので、その前にはスタッフが常駐し、鍵もかかっているはずなので、外に出て行くことはできないはずです。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ドクター畑地の診察室
  • 現役呼吸器内科、総合内科専門医のメルマガです。世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信!
  • 220円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)