田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」Vol.378
アメリカというシステム~高いモビリティが生む価値
日本とアメリカを比べてもあまり意味がないと思う。それは国としての成り立ちがあまりにも違うからだ。島国で自然にできた国と、移民から人工的に作られた国は全く別物だ。アメリカの始まりからの構造が時代にマッチしているのだと思う。アメリカは、真ん中あたりは通常の国家と同じだが、両海岸沿いは国家というより、人材育成・活用システムだと思う。
世界中から比較的に寛大に人材を受け入れそれに高度な教育・訓練を施し、彼らをうまく社会で活用して社会を繁栄させるのだ。他人のふんどしを最もうまく活用するシステムだろう。それに乗っかりに世界中から人材とお金がやってくる循環が出来上がっている。
国家の外からの人材導入、育成、活用もそうだが、広い国家の中と多様な組織の中を渡り歩く人材の受け入れ、育成、活用も上手だ。今回私と一緒にここに集まるアカデミアの連中も、学部と博士課程と就職先とキャリアアップの教育研究機関は全部別だ。同等にハイレベルな研究教育機関が国内に東西南北にわたり30以上あるのでこんなことができるのだろう。日本のような一極集中ではなく、同等の生活・文化レベルの都市が30以上もあることも大きい。
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