松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2022年1月14日発行 /Vol.498(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.男兄弟に挟まれて育ったせいか、ガサツな性格です。それでも学生のころは、周りに友達もたくさんいて笑ってくれていたので気にしてませんでしたが、最近、周りが結婚し始めて焦りが出てきました。松尾さんの思う「女らしさ」ってなんでしょうか?(25歳、女性)
A.「女らしさ」「男らしさ」といったようなことに対してどうこう言う、というのが難しい世の中ですよね。「女は女らしく」なんて言葉は、もはや過去のもの。まあ一般的にはまだまだ使われているかもしれませんが、我々表現者がそんなことを言おうものなら、もはや袋叩きです。心の中には、なにかとあります。ありますが、わたしも「男らしくしろ」と言われるのがとても嫌なクチなので、心にしまっておきます。サラダ、取り分けます。最近、わたしの周りに、いわゆる「女らしい」振る舞いにこだわる人が少なくなってきているので、なんとも私自身、「女らしさ」のよさが、よくわからなくなってきています。人として筋が通っていれば、そして床上手であれば大丈夫なんじゃないでしょうか。床上手は、ジェンダーの問題とはあんまり関係ないので、しばらくは使える気がするんです。
Q.結婚して5年、私たちは同じ年の夫婦で、まもなく30歳なので子作りをするなら、お互いに、そろそろかと思っています。ただ、いまの世の中や政治の状況を見ていると、生まれてくる子供がかわいそうな気にもなってきます。松尾さんは常々、子どもを作るつもりはないとおっしゃっていますが、これから生まれてくる子供たちには、どんな未来が待っていると想像されますか? 言葉でもイラストでも、松尾さんの想像する未来、聞いて(見て)みたいです!(29歳、男性)
A.まるで予想はつかないのですが、もはや老人社会であり、子供が育たないことには国が滅びる、という危機感が、そろそろ日本にも生まれつつあるので、子供を持つ家庭は大事にされる世界になるのではと、思いますし、そうならないとだめでしょう。国からの支援も手厚くなっていくと思います。不妊治療の保険適用も進みそうだし。わたしも、杏さんとか、一人で子供3人も育てて素晴らしいな、なんてことを思ったりするのです。あの、いしだ壱成ですら子供を作ったと思うと悔しくてなりません。応援しています。ただ、子供に感謝されようとか考えないほうがいいと思いますよね。こっちの勝手で生んだのだ、という自覚は常に必要と感じてください。そうすれば、どう育てればいいのかという道筋が見えてくるのかと。
Q.友人が、彼の妻の会社の後輩と不倫関係になってしまいました。さすがにマズイと思い、別れたいらしいのですが、向こうがかなりノリノリなので、変な別れ方をするとヤバそうな気もするとか。行くも地獄、戻るも地獄のこの状況、もし松尾さんならどう対応されますか? どう考えても自業自得のアホくさい話をして、申し訳ありません。(36歳、男性、会社員)
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