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小米物語その26
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1992年7月に、金山軟件(キングソフト)の北京開発部をスタートさせた雷軍(レイ・ジュン)に早速難題が降り掛かってきた。マイクロソフトがWindowsと中国語対応Wordで、中国市場に参入することになったのだ。中国語ワープロ「WPS」を主力製品とするキングソフトにとって大きな脅威だった。
WPSはMS-DOS上で動くワープロソフトだが、Windows版を開発する必要がある。しかし、素直にWindows版WPSを開発しても、勝ち目は薄かった。
WordそしてExcelとPowerPointのOfficeスーツ製品は、それぞれ単体のソフトウェアとしては、決して優れているわけではない。WordはWordPerfect、ExcelはLotus 1-2-3などと比べて見劣りがする。しかし、マイクロソフトはWindowsと組み合わせることで、ライバル製品を駆逐していった。
WindowsもOfficeもマイクロソフト1社が開発している。マイクロソフトはWindows、Officeを一体として商品企画を行い、Wordが必要とする機能をWindowsのライブラリに搭載をする。Wordもそれに合わせて開発をするため、Windowsの新しいバージョンが登場するのと同時に、新機能に対応したWordが登場する。WindowsとWordは、OSとアプリケーションという一般的な関係ではなく、かなりの部分融合して一体化をしていたのだ。
WordPerfectやLotusなどの他社は、Windowsの新バージョンの情報が公開されてから、新バージョンの開発を始めるため、新機能に対応するのが数ヶ月から半年遅れる。それだけでなく、Windowsの仕様が変更になり、他社ソフトウェアは動作が不安定になったりすることもあった。
これにより、Officeは「Windowsの上で安定して動き、新機能もどんどん搭載されるビジネスツール」と認識されるようになり、シェアを伸ばしていった。
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