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在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 大澤 裕 ━━━━━━━━━━━━━━━━ カンボジアのインターネット・ゲートウエイ法 ━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネットにおける表現の自由についての真剣な議論をすべき時期になっていると思います。 「フェイスブックやツイッターにBAN(投稿禁止)された。」といった話をチラホラと周辺で聞くようになってきたからです。 今回は、今まで取り上げてこなかった国、カンボジアについての記事をご紹介しましょう。 ニューヨークタイムズ1月15日 オンライン版からの記事です。 ================= カンボジアのインターネット・ゲートウエイ法 カンボジアのケア・ソクン氏が逮捕された日、私服の男4人が現れ、彼を警察署に連行した。人気ラッパーでもある同氏は、ユーチューブで2曲を発表しており、男たちは彼がなぜその曲を作ったのか知る必要があると言った。 「あなたの背後には誰がいるのか?どこの政党に投票してるんだ?」と聞かれたケア・クソン氏は答えた。「私は投票もしたことがないし、誰も私をコントロールできない」 カンボジアの日常的な苦悩を歌ったという23歳のアーティストは、その歌詞で社会不安を煽ったとして裁判官から有罪判決を受け、過密な刑務所で18ヶ月の刑期を言い渡された。彼のケースは、インターネット上にジョーク、詩、写真、プライベートメッセージ、歌を投稿したことで何十人もが刑務所に送られた弾圧の一環である。 カンボジアのインターネット環境は、まもなく中国のようになるかもしれない。2月に施行されるインターネットゲートウエイ法により国家管理下に置かれるのである。国民のすべてのインターネット閲覧は政府のポータルを経由することになった。 このゲートウェイによって、国家の規制当局は、国家の収入、安全、社会秩序、道徳、文化、伝統、習慣に影響を与えるすべてのネットワーク接続を阻止する手段を得ることができる。 カンボジア当局は、平和と安全のために不可欠なものとしてこの法令を擁護し、検閲の疑惑や言論の自由が脅かされているという考えを退けている。 「カンボジアには報道の自由があり、インターネット上の自由もある」と、政府首席報道官は述べた。「我々は人々がインターネットを使うことを推奨している、 それが扇動にならない限り。 」 カンボジアではすでに政府の監視が行き届いている。各省庁にはインターネットを監視するチームがある。違反コンテンツは、同国の強固な治安組織の中心である内務省のインターネット犯罪課に報告される。責任者は扇動罪で起訴され、刑務所に送られる可能性がある。 インターネット・ゲートウェイ法は、これまでカンボジアのインターネットを管理する分散型システムを中央集権化する。その結果は、わずかに残っているネット上の表現の自由をつぶすことになる。 批評家たちは、この法令によって、ベトナムからトルコまで、中国の権威主義的なインターネット監視モデルを受け入れている国々にカンボジアが加わることになると述べている。 =============== 解説 今のところ、同じような規制法案が日本で施行されるような事はないでしょう。 しかしながら、オウム真理教のようなテロ事件がインターネット上のやり取りを使って起こったらどうでしょう? 世論は「政府の検閲もやむなし」と思う可能性があります。時の政権は喜んでこのカンボジアのインターネット・ゲートウエイ法のようなモノを作るでしょう。 例えば、当初Facebookは、「自分たちは単なる媒体であり、それぞれの投稿記事を真偽を判定することはしない」と主張していました。しかしながら、「トランプ大統領がフェイクニュースを量産している」との批判もあり、「やむなく」真偽を判定する役割まで果たすようになりました。 最近は友人からでも「フェイスブックにBAN(投稿禁止)をされたと聞くようになりました。 確かにインターネット上には荒唐無稽な情報も多々掲載されています。先日は「ヒラリー・クリントン」を検索したら、「死刑になった」といった記事が多数でてきました。 ユーチューブは、再生回数で広告収入が入るので、人々の関心をそそる過激な内容を出す人がします。再生回数が多いとみると、追随するユーチューバーがでてきます。結果的にまるでそれが本当に事実であるかのような印象を与えます。 それはとても危険な事です。しかし、だからといって、それを政府が検閲するというようなことになると、さらに大きな問題が発生します。 (以下、仮登録の上で本文をお読みください。月末まで無料解除できます。)

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