■会社を買うメリットとリスク
会社を買って起業し、ビジネスや収入を好転させる人が増えている。
普通の会社員や主婦が、小さな会社や飲食店、小売店を買って、経
営者という新たなキャリアを手に入れている。
会社は誰でも買える。スマホ1台あれば、ネットで売りに出ている
会社を探して手軽に買える。会社を売りたい人と買いたい人をマッ
チングするM&Aマッチングサイトも増えている。
売りに出ている会社の中には「承継者がおらず、休業・廃業せざる
を得ない。引き継いでくれる人がいるなら、安く、場合によっては
無償で売りたい」という会社もある。
そんな会社の中から、自分が希望する条件に合致した案件を見つけ
て、交渉すればいいのだ。両者が合意さえすれば、売買が成立する。
こうして経営者になれるのだ。
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会社は個人でも買える。会社員などの個人が会社を買う場合、一番
のメリットは、副業または投資として収入源を増やし、収入をアッ
プさせることができるということだ。
会社員でも「業務を自動化する」「運営を他者に任せる」などの工
夫ができれば、自分の時間を割かなくても、会社運営できる事業は
いくらでもある。
そこから本業を上回る収入が得られるようになれば「勤めている会
社を辞めて独立する」という選択肢もできるはずあ。こうして、新
たなキャリアを開くことができるのだ。
すでに事業をしている人にとっても、会社購入はスピーディなステ
ップアップの一選択肢だ。今の仕事を、時間をかけて育てるより、
すでにある会社を買ってしまったほうが近道だからだ。
このように「個人M&A」は、個人にとって従来の「転職」「ゼロ
から起業」などの選択肢に代わる、まったく新しいキャリアアップ
の選択肢となりえるのだ。
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個人事業主やスモールビジネスのオーナーにとって「会社を買う」
ことの一番のメリットは、既存事業のみで事業拡大するより、早く、
安く、確実に事業を拡大できることだ。
事業拡大を目指す際、特に重要な要素は「顧客リスト」と「商品、
サービスなどのコンテンツ」と「人材」だ。会社を買えば、それら
が短期間ですべて手に入り、効率よく収益が上げられる。
次々とM&Aを仕かければ、スピーディに多角化できる。経営の多
角化は「ある事業がうまくいかなくても、他の事業がうまくいけば
いい」という、これからの生き残り戦略になるはずだ。
M&Aで同時に複数の会社を経営するメリットは「会社(事業)ご
とに、使い分けられる」こと、そして「事業相互のシナジー(相乗
効果)を生むことで効率よく収益をアップできる」ことだ。
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もちろん、個人による会社購入にはリスクもある。主なものは「収
入面での安定性が保障されない」「買った会社がうまくいくとは限
らない」などだ。
また、経営状態の悪い会社を買うと、立て直すための人・金が大量
に必要となり、収益性が極端に悪くなることがある。会社の借入を
返せない場合、個人のお金で補填して支払うことも起こり得る。
他にも「別事業を運営することで本業が疎かになり、本末転倒にな
ってしまう」ということもある。自分以外に起因する不祥事や問題
の発生で、会社が大きな損失をこうむる場合もある。
こうしたリスクがあるとはいえ、M&Aは副業や投資として、事業
拡大の手法として、何よりこれからの時代の生き残り戦略として有
効だ。
成否を分けるのは経営力より、良い会社を良い形で引き継ぐことだ。
もちろん、経営力も必要だが、それよりも「どういう関係性(敵対
的か友好的かなど)で、どんな会社を買うか」のほうが重要なのだ。
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