1月25―26日のFOMC後の記者会見で、パウエル議長は「今
後高止まって、加速さえしそうな高インフレ」に繰り返し強い警
戒感を示しながらも、後手後手に回ってしまった「FRBの失敗」
を一切認めませんでした。
最初のスタートラインで「FRBの失敗」を認めなかったので、そ
の後の議長の記者会見の内容は、支離滅裂、しどろもどろになり
ます。
まずは、「今後の利上げの道筋」についても、「年半ばから始まるで
あろうQT(量的金融引き締め)の道筋」についても、先行きの経
済状況(=経済成長)次第と、その具体的な中身については、議長
は「明言」できませんでした。
議長は、「後手後手に回ったので、その結果、急激な引き締めにな
る危険がある」ことを、隠したまま、公表できなかったのです。
さらに議長は、先行きの経済成長についても、それに対応する金
融政策についても、「先行き不透明感」と「自信の無さ」を強く前
面に打ち出してしまいました。
これほどの「ポエムのような一貫性の無い議長の記者会見」を、私
は未だかつて見たことはありません。
パウエルFRBは、今回のFOMCから「インフレ退治の鬼」に毅
然と「豹変」してみたものの、 「高インフレを退治しながらアメ
リカ経済をソフトランディングさせてゆくことへの自信」を市場
に毅然と示すことは出来なかったのです。
それどころか、この日のパウエル議長は「ソフトレンディングへ
の自信の無さ」を露呈してしまいました!!!
このおっさんのお陰で、今回もまた「FRBの威信」は大きく傷付
いたのです。
今後のアメリカ経済の「最大のリスク」は、「高インフレ」では無
く、「スローダウンしてゆく経済成長」にシフトしてゆくことで
しょう。
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