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今号はいきなりメインから! 1. メイン「銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ」 ─ 日本で唯一の数奇なキャリアを歩んできた筆者が、実際に見て、聞いて、体験した「ここだけ」の話の数々。単なるゴシップに終ることなく、それぞれの会社への愛情を込めて、皆さんのお役に立てるお話を綴れればと。 『ジョンソン - 現在の僕に最も影響を及ぼした会社』 1991年3月に大学を卒業してから 1991年 日本興業銀行 1993年 P&G 1999年 フィリップモリス 2000年 ジョンソン 2004年 ピュラトス 2006年 アリックスパートナーズ → ライブドアへ派遣、転籍 2011年 ヘンケル 2013年 ウルトラチョップ起業(現職) 2018年 ビスポ起業(現職) と渡世してきました。 それぞれの会社での経験や体験、そこから得た知恵を記しているのが本メルマガなのですが、1社だけ今までほとんど触れていない会社があります。 それが4社目のジョンソン。正確には S.C.ジョンソン社 です。 よくジョンソン&ジョンソン社(コンタクトレンズやバンドエイドで有名ですね)と間違えられるのですが、ジョンソン社はカビキラーやスキンガードが有名な消費財のグローバルカンパニーです。 ウルトラチョップとビスポ以前の僕のキャリアの中で好きな会社を3つ挙げれば、ライブドア、興銀、そして実はこのジョンソンになります。外資系の中では一番好き。 じゃなんで今まで書いてないかというと、素敵なところが相対的に多くて、賛否入り混じる他社と比べてメルマガの題材としてはパンチが弱かったというか笑 でも振り返ると現在の自分に最も影響を与えているのはこのジョンソンでの4年間だったかと。 そんなわけで今回は満を持してジョンソンの話です。 ジョンソンへの転職は、忘れもしない一本の電話がきっかけでした。電話の主は、P&G時代の最初の上司で、その頃ジョンソンのマーケティング責任者であった鷲津さん(現ジョンソン社長)。右も左もわからなかった自分を、兄貴のように厳しく、熱くトレーニングしてくださった鷲津さんに、いつか必ず恩返しをしたい、もう1度一緒に働きたいと思っていた自分にとっては「やっとこの時が来た!」というのが偽らざる気持ちでした。 当時32歳の文字通りの生意気盛り。 複数のブランドを束ねるカテゴリー部長となって、担当したのは虫よけ・殺虫カテゴリー。 (ちなみに僕は本当に死ぬほど虫が嫌いで、このアサイメントを聞いた時は正直ゲッという感じでした苦笑) メインブランドはスキンガードという虫よけ剤。アース製薬と強大な競合に圧されてシェアがみるみる下がっていく中での待ったなしの登板でした。 ここでやったことはそれまでの自身の学んできたマス・マーケティングの手法のある意味集大成で、丹念なリサーチをベースに、極めて基本的なことを忠実に実行しました。企業秘密で詳しくは書けないのですが、端的にいうと、ターゲットを広げる、使用用途を広げる、という二つのステップで売上とシェアを回復することに成功します。 (グローバルなんとか賞という海外を含むMVPみたいな賞ももらいました。おそらく。表彰ごとに昔も今も興味がないので賞状も何もどこかにいっちゃって本当はもらってないかもですが笑) 広告代理店のメンバーをはじめとした社外のサポートも素晴らしく、当時のチームは今でも飲み仲間として交流しています。 カテゴリーの日本代表として、アジア各国での国際会議に参加し、外国や外人に全くモノ怖じしなくなったのもこのジョンソンの頃。感謝しています。 ほら、素敵なことばかりでしょ笑 そんななかでも記憶に鮮明なのは、P&Gとジョンソンの違いを時のマネジメントに問うたときのこと。 なぜそんな質問をしたかというと、ジョンソンにはマネジメント層にもスタッフ層にもP&G出身者が沢山おり(日本に限らず全世界的に)、また、ビジネスや組織のシステムも酷似していて、しかも同じ消費財メーカーということで。 だけどなんかP&Gとは違う。 で、社歴が長いトップマネジメントにストレートに質問したわけです(その方はヨーロッパの方でやはりP&G出身でした) 回答はこうでした。 「もし両社がマラソンに参加していてトップ集団を走っているとしよう。そんな中、走っているある人が途中で突然倒れたとしたら。P&Gはかまわず走り抜け、ひょっとすると1位でゴールテープを切る。ジョンソンはその人を助けるために立ち止まり、したがって1位ではゴールできない。それがジョンソンという会社だよ。」 僕は心の底から肚落ちしました。あー、だからこの会社は心地よいのだと。 もちろん上記の例えで、P&Gは決して間違っているとは思いません。 むしろ株主の立場からすれば正しい判断であり、頼もしいでしょう。 でも僕はジョンソンが好きです。 そしてこの感覚はいま現在も変わりません。 さて、そんなジョンソンで僕がよく発していた(あるいは発されていた)フレーズを5つ紹介します。外資系らしく英語で笑 そしてこれらのフレーズは現在の僕にとても影響しています。

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