松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2022年1月28日発行 /Vol.500(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.入社して7年、とにかく忙しい職場で残業は当たり前、休日は寝ているうちに終わってしまいます。彼女もいないので、それでも特に問題はないのですが、彼女と旅行に行ったり、結婚したり、趣味を持っている同級生を見ていると、もっと仕事以外の経験も必要なんじゃないかと心配になることがあります。人生経験豊富な松尾先生、私はこのまま仕事だけしていて、いいのでしょうか?(29歳、男性、会社員)
A.わたしの経験上、本気で彼女が欲しくてたまらない人は、どんなに忙しくても、しっかり彼女を作っています。趣味を見つけています。あなたは、まだ本気を出してないだけなんです。忙しさには慣れるポイントが有り、そこに、みなデートやインプットの可能性を探しているのです。宮藤なんて、わたしの倍も仕事をしていますが、わたしの倍以上、芝居や映画を観ています。デートはしていないでしょうけど、見習わなきゃならんなあと、ひしひしと感じます。もし、そのポイントがどこを探しても見当たらないというのなら、きっと会社がブラックすぎるのです。仕事に人生のすべてを差し出すべきかどうかは、個人のさじ加減ですが。私ですら、2度も結婚する暇があったんですから、どうにもならないわけはないんです。
Q.一人娘が地方で一人暮らしを始め、主人は出張が多いため、自宅で一人、過ごすことが増えました。そんなとき、暇つぶしにフェイスブックをしていて昔の彼を見つけました。正直に言いますと、連絡を取ってみたくてしょうがないのですが、ダメ…ですかね…? やっぱり、ちょっと寂しくて…。(46歳、女性、主婦)
A.SNSで素晴らしいパートナーを見つける人もいれば、SNSさえなければ平穏無事に人生終われたのに、という人もいるんですね。自殺する人までいるわけですから、慎重に扱わなければ自分を守れません。連絡をして冷たい態度をとられ、逆に傷つく未来も想像できますよね。
暇つぶしの方法はいくらでもあります。私は最近、10年来続けていたLINEポコパンに別れを告げ、妻に勧められてキャンディクラッシュというのをやっております。今現在、レベル51です。他愛もないゲームですが、寝付けない夜の虚しさを別の虚しさで塗りつぶすにはもってこいです。ええ、虚しいです。なにも手元に残りません。所詮、何をやっても虚しいのですから、誰も傷つかない方法でそれを塗りつぶすしかないのです。最近、お絵かきを教えるYouTubeを観ているうちに、絵を描く楽しさを思い出し、けっこう充実しております。暇の潰し方は、10年前より格段に多様化しているように思えます。
ま、でも、他人事として、昔の彼氏に連絡するというのは、おもしろいので、1回ぐらいはしてみてください。
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