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在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 大澤 裕 ━━━━━━━━━━━━━━━━ 自作自演の罠にはまったプーチン大統領 ━━━━━━━━━━━━━━━━ ウクライナ周辺に集結している10万人のロシア軍に世界中が注目しています。進行の可能性がますます高まっているという報道も多いようです。 そんな中で、米国の新聞に「ロシアのウクライナ侵攻はない」との意見記事が掲載されました。的を得てると感じたのでご紹介します。 ロシアの政治・外交を幅広く取材してきたジャーナリスト、ラティーニナ氏がニューヨークタイムズ1月28日に寄稿した記事です。 =============== 【自作自演の罠にはまったプーチン大統領】 プーチン大統領はウクライナに対して戦争を仕掛けるのだろうか? 「48時間以内」の勝利を予測するロシアのプロパガンダから判断するとその答えは「イエス」である。しかし、真実はもっと複雑である。 プーチン氏がウクライナをロシアの一地方に過ぎないと考えていることは間違いないが、彼の狙いが戦争であることは明らかでない。突然の急襲や秘密作戦とは違って、 正面切っての戦争はプーチン氏のスタイルではない からである。 筆者の考えでは11月のロシアのウクライナ周辺での軍備増強は、欧米にウクライナの領有権を放棄させるためのものだった可能性が高い。 理由は簡単だ。アフガニスタンである 。8月の欧米諸国によるアフガニスタンからの撤退は、米国が海外と関わりを持つことに消極的になっていることを示唆した。そこでプーチンは、冷戦後の秩序を見直す好機と判断したのだろう。 しかし、欧米はひるまなかった。特にこの1週間、米国とNATOはロシアについて議論する際、明らかに鋭い口調を取り、東欧全域に軍事物資を送り込み、軍隊を待機させているのである。ロシアが譲歩しないのであれば、西側諸国も同じである、という強いメッセージである。 プーチンは米国を罠にかけようとして自分自身が罠にはまったのだ。 今や武力衝突と屈辱的な撤退の狭間に立たされたプーチン氏は、もはや打つ手がなくなっている。 侵略して敗北するか、撤退して瀬戸際外交のツケを払うか。この先どうなるかはわからない。プーチンの賭けは失敗したのだ。 ロシアがウクライナ侵攻をしないと考える理由はたくさんある。ひとつには、私が20年来、間近で見てきたプーチン氏の本能的な慎重さである。 プーチン氏の下でロシアが大きな成功を収めた軍事作戦、2008年のグルジア侵攻と2014年のクリミア併合は、西側諸国がよそ見をしていたときに起こったものだ。 いずれの場合も世界は不意をつかれ、ロシアは国際的な武力反対派の脅威を受けることなく、その計画を完遂することができた。今はそのような状況ではない。 しかも、 プーチンには戦争に踏み切る国内的な理由もない。 確かにプーチン氏の評価は下がり、物価は上がっているが、国内に大きな不安はなく、選挙も2年先だ。プーチン氏は支配を強化するため、あるいは国民の目をそらすための戦争を必要としていないのだ。 そして、 最大の理由がある。ロシアに勝ち目はない。 ウクライナ軍は地上侵攻に備えて装備や態勢を大幅に強化しており、国境付近に展開しているロシア軍では制圧できない可能性が高い。 一つだけ確かなことがある。 プーチンは負ける可能性のある戦争は絶対に起こさない。つまり、平和を確保する唯一の方法は、軍事的な対決において、プーチン氏が決して勝利しないことを保証することである。 ================ 【解説】 以上、プーチンは、軍事的な圧力をかけるだけでウクライナから欧米が手を引くと考えて軍隊を動員したが失敗した。実際に軍事行動にでることはない、という分析です。 (以下、仮登録の上で本文をお読みいただけます)

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