第197号(2022年2月4日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもお読みくださり、そしてコメントやご質問も頂戴し、誠にありがとうございます。
さて、今週号のメルマガですが、まず【1】のコーナーでは、引き続き
【Mediation- 調停】について、まとめてお話ししたいと思います。
先週号では『調停に際してのステップ』についてお話ししました。
今日はその続編です。
内容は本編をぜひお楽しみに。
次に、国際情勢ですが、今週もいろいろとありました。
一つ目は【クーデター発生から1年たったミャンマー情勢】についてです。
2021年2月1日に起こったミャンマー国軍によるクーデター。
その後は国軍による民主化勢力への弾圧とも呼べる攻撃が続き、
それに反抗する民主化運動勢力も武力・暴力を用いて攻撃することによって、
ミャンマーの治安は著しく悪化しています。
欧米企業は挙って投資の引き揚げなどの経済措置を加え、ASEANの周辺国からの調停の申し出も蹴って、
ミャンマー国軍が統治するミャンマーは国際社会から孤立しています。
中国やロシアは自らの陣営に国軍率いるミャンマーを引き寄せようとしていますが、
これまでのところ、その試みもうまくいっていないようです。
日本政府および日本企業は、ミャンマーで進む人権問題に懸念を示しつつも、
ミャンマービジネスは継続するという対応を選択しています。
1年たった今でも事態の改善に向けた見通しは見えてきませんが、
来年8月までに“民主的”総選挙が開かれることになっている中、ミャンマーの運命はどうなっていくのでしょうか?
不確定要素が多くて悩ましいですが、【2】のコーナーでいろいろとお話いたします。
2つ目は、【緊張高まるウクライナ危機】についてです。
アメリカのブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相の話し合いが継続されていることは、
非常にまれな明るいニュースですが、ウクライナを挟んだ米ロのにらみ合いは、
まだその緊張が解ける気配がありません。
今週に入って、中国政府がついに『国家安全保障上の危機である』とするロシアサイドの見解をサポートし始め、
国連安保理をはじめとする国際フロントで、欧米勢力との対立を際立たせています。
非常にデリケートなバランスの上で落としどころが探られているわけですが、一つボタンの掛け違いが起きてしまうと、
一気にドミノ倒しのように紛争が拡大する恐れも増してきていることから、目が離せません。
そしてバイデン大統領が東欧に米軍を派遣することを表明したことで、
そのボタンの掛け違いが発生する可能性が出てきました。
諸々の状況と情報から、私はそれでも、やはり武力衝突には至らないと考えていますが、どうでしょうか?
3つ目は【国際社会に対する北朝鮮による相次ぐ挑戦状―ミサイル発射】についてです。
短距離ミサイル、極超音速ミサイルに類似した新型ミサイル、
そして今週はついに火星12号と思われる中距離弾道ミサイルの発射が行われました。
年明けから約1か月の間に異常ともいえる頻度での発射になります。
ただこれまでと違い、中距離弾道ミサイル発射を行い、
年初挨拶では国連安保理決議違反と言われる長距離弾道ミサイルの発射や核開発・実験の再開に言及するなど、
アメリカのみならず、国際社会に挑戦状を突き付けているように思います。
しかし、どうしてこのような状況になるのでしょうか?
いくつか理由がありますが、最大のものは
【国際社会からの北朝鮮無視もしくは無関心に対する焦り】と、
予てより言われている【北朝鮮がすでに核弾頭を保有していると言われる中、もう攻撃を受けないだろう】
との読みが働いているからでしょう。
そしてその姿勢を中国とロシアがバックアップしていることもあるかと思います。
ウクライナ情勢の緊迫化、緊張冷めやらぬ台湾海峡をめぐる米中の対立・・・
アフリカ大陸の和平の崩壊への兆し・・
いろいろと国際情勢が混乱する中、北朝鮮情勢は今後どうなるのか。
やはり目が離せません。
今回もいろいろなお話しをしますが、どうぞお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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