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ファイザー→ファイザー→モデルナ

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室126.2022.2.6. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *********************************** ファイザー→ファイザー→モデルナ 残念ながら、日本は独自でCOVID-19ワクチンを開発することができなかったので、諸外国からのワクチン供給に頼りっきりです。 元々、ワクチンの最大の役割は、パンデミックを防いで人類を感染症から守ることです。当然、効果が最優先されて然るべきで、効果の高いワクチンが期待されています。インフルエンザワクチンには世界では“ブースター”と呼ばれる効果を増幅する薬物が添加されており、ある程度の副作用もありますが、効果は高いものとなっています。しかし日本のインフルエンザワクチンは、昔ながらの製法で作られており“ブースター”は入っていません。副作用は少ないですが、効果は世界的に見ると十分とは言えないレベルです。以前、新型インフルエンザが世界的に問題になった際には日本でもインフルエンザワクチンが不足し、インフルエンザワクチンを海外から輸入し、治験しようとした経緯があります。結果、日本の風土に合わず、効果の高いワクチンは採用されずに見送られました。 このCOVID-19のパンデミックで、日本は速やかにワクチンを上梓することができず、海外からの輸入に頼らざるを得なくなりました。海外のワクチンはいずれも効果を最大限発揮するように考えられており、ある程度の副作用はやむを得ないといったスタンスです。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンという素晴らしいワクチンが誕生し、最小限の副作用で最大限の効果を得るように作られたものがファイザー社とモデルナ社のワクチンです。 いずれも効果は高いのですが、ファイザー社のワクチンは“武漢株”に非常に選択性が高く、副作用は少ないものの“デルタ株”“オミクロン株”に対しては、モデルナ社のワクチンに効果の点では一歩劣ることが知られております。 特に日本人若年者にモデルナワクチンを常用量使用すると、接種部位の腫脹や発熱が多いことが知られています。そのためファイザーのワクチンを希望される人が多く、効果の点では一歩勝るものの、モデルナのワクチンを希望される人は非常に少ないのが現状です。 現在の第6波を乗り切るには国民全体へのワクチン接種が必要となりますが、ファイザーのワクチンだけでは量が足りません。そのため政府はファイザーワクチン接種後のブースター接種にモデルナのワクチンを使用することを許可しました。 ブースター接種に使用されるモデルナワクチンの量は、従来の量の半量です。そのため副作用も非常に少なく、効果の面ではファイザーワクチンのブースター接種に劣るものではありません。

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