■■ 2022/02/04 ■■
兵頭正俊の優しさ出前
~3分でマスメディアとは違ったステージに招待します
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米露戦略競争のなかの日本 (その2)
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以下の文章はマイケル・キメージの論文をまとめたもの
である。わたしの考え方ではない。わたしの考えは、そ
れとわかる形で、批判的に挿入してある。
1 いまやゼレンスキー政権は、ウクライナを「ユー
ロ・アトランティック統合」路線(つまり、親欧米路
線)に位置づけている。
2 東ヨーロッパでの影響力を競い合う米ロは、「戦略
的競争」のなかで敵対関係に陥りつつある。
3 アメリカは、シリア紛争では「アサド政権を倒す」
と表明しておきながら、結局は目的実現への決意のなさ
をさらけ出した。アメリカは、現地のロシア軍のプレゼ
ンスを押し返すこともせず、ロシアが中東全域に影響力
を拡大することにも対抗しなかった。
アメリカには国全体に軍人を含めて戦争疲れがある。
「ウクライナを政治的に支援する」というアメリカの宣
言が、信頼できる決意によって裏付けられているかどう
か、ロシアが疑っても不思議はない。おそらく米議会が
支援に反対するだろう。
4 (1)ウクライナの領土保全に対するアメリカの支
援表明は「必ずしも真意ではない」とプーチンが判断す
れば、武力で地域のパワーバランスを変化させることへ
の障害はなくなる。
(2)4000万を超える人口を擁する大国であるウクラ
イナのすべてを支配しようと試みるのは愚かだが、ウク
ライナを二つに分割したり、「ユーロ・アトランティッ
ク統合」やアメリカとの安全保障協力から引き離すよう
な新たなアレンジメントを強要したりするシナリオな
ら、決して非現実的とは言えない。
5 ロシアはさらなる封じ込め(欧米の東方拡大)の試
みに屈するよりも、ウクライナへの武力行使の方が「戦
略的競争」にはよいと考えるかもしれない。
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