第146回 「海辺のカフカ」と「少年カフカ」 (2002年~)
「海辺のカフカ」が出た頃,私は村上春樹の熱心な読者ではありませんでした。
新聞広告は記憶していますが,買ったつもりだった単行本は買っていなかったし,公式ホームページのことも知りませんでした。
新刊を発売日の午前中に買うようになったのは「1Q84」からです。
日本橋丸善で買ったのを覚えています。
先月,「海辺のカフカ」,6回目を読了しました。
今回は「少年カフカ」と併読しましたので,今までの10倍楽しめました。
「少年カフカ」は「海辺のカフカ」の公式ホームページをまとめたムック本で,1220通の読者のメールに村上春樹が返事を書いています。
少年雑誌のような表紙にはこう書かれています。
最初で最後の「海辺のカフカ」マガジン遂に刊行!「海辺のカフカ」が10倍楽しめる!!!
確かに10倍楽しめました!
熱心な読者たちが感じたこと,思ったこと,考えたこと,村上春樹に伝えたいことをせつせつとつづり,それに対して村上春樹がひとつひとつていねいに答えています。
併読していると,登場人物,風景描写,心理描写,そして物語そのものに,より深みと奥行きが感じられるようになりました。
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