河井案里・前参議院議員が自殺未遂をした。
親族に「さようなら」と連絡した後、睡眠薬を20錠ほど飲み自殺を図ったという。 幸い命に別状はなかったが、辞職してもなお、お騒がせな方である。
自殺を図るなら、広島での巨額買収事件の真相を明らかにしてほしい。
先日、この買収事件に至るまでの河井案里の半生を描いた本が上梓された。
タイトルは『おもちゃ』。 河井案里自身がこの本の著者に宛てたメールの中で、自己の存在を「おもちゃ」と表現し、それがそのまま本のタイトルとなった。
2019年夏の参院選。 ときの安倍総理が、かねてからの仇敵である溝手顕正・参議院議員を落とすために放った刺客が案里だった。 しかし、案里から見れば、結果的に自分は永田町の権力者の「おもちゃ」でしかなかったという意味だったのだろう。 「政治家は使い捨て」と小泉純一郎氏は喝破したが、案里の「おもちゃ」という受け止め方も面白い。
河井克行、河井案里夫妻による事件は、まだ終わっていない。
>>2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件。 河井克行元法相(58)=実刑確定=らから現金を受け取ったものの、公選法違反(被買収)罪で不起訴処分になった地方議員や後援会員ら計100人について、東京第6検察審査会は28日までに、広島県議や広島市議、後援会員ら35人を起訴すべきだとする「起訴相当」の議決をした。 既に辞職した市町議や後援会員ら46人については再捜査を求める「不起訴不当」と議決し、検察が捜査に乗り出す前に現金を自ら返却していた県議や後援会員ら19人については、不起訴を妥当と認める「不起訴相当」と議決した。 議決は昨年12月23日付。 (中国新聞デジタル)
河井夫妻から現金をもらいながら不起訴とされた地方議員や首長、後援者たちが検察審査会で起訴相当もしくは不起訴不当とされたのだ。
検察審査会は現金をもらった者を、以下の3段階に分けた。
1.現金を受け取った後も地位に居座っている者
→起訴相当
→検察審査会が再度「起訴相当」と判断したら強制起訴(問答無用で裁判)
2.現金を受け取った後、辞職した者
→不起訴不当
→検察が再捜査し刑事処分を決める(もう一回捜査を尽くさせる)
3.現金を受け取ったがすぐに返金した者
→不起訴相当(許す)
通常、10万円以上もらえば選挙違反で立件される。 だが、今回はあまりにも金をもらった人数が多いので、検察は不起訴とした。 しかし、検察審査会は厳しい判断を下した。
この事件はまだまだ続くのである。
『おもちゃ』の著者・常井健一氏は、拙書『悪党 小沢一郎に仕えて』の構成を手がけてくれたノンフィクションライターである。
今回の本は、案里の半生と広島県政界、そして永田町へと波及する力作だと感じた……
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