■インプット
「情報の豊かさは、注意の貧困を作る」という。情報量が多いほど、
一つ一つの情報に注意を向けることが難しくなるからだ。これは、
大切な示唆を与えてくれる。
意識しなくても、スマホの画面から、無数の情報が目に飛び込んで
くる。余分で価値がない情報は「ノイズ」といえる。現代は、ノイ
ズだらけで、情報の本質を見極めることが難しい世の中だ。
玉石混交の情報の中では「何が価値あるものなのか」を見極める力、
すなわち「情報活用力」が重要だ。これこそが、この社会を生きて
いく上で必須のスキルなのだ。
すべての情報をインプットし、伝えたい情報をすべてアウトプット
していたら、いくら時間があっても足りない。成果をあげる人は
「情報活用力」が優れているのだ。
★
ノイズに振り回されないためには、情報の活用法を工夫するべきだ。
仕事の情報活用は3ステップ式だ。(1)インプット→(2)整理
→(3)アウトプット、これが基本的なステップだ。
この3つのステップのうちどれが欠けても精度が高い仕事はできな
い。また、この3つのステップには共通する必須の要素がある。そ
れは「フィルターを設けること」だ。
すべての情報をインプットし、アウトプットすることは物理的に不
可能だ。時間がかかる割に成果につながらない。だからフィルター
を設けて価値がある情報とそれ以外とを仕分けておくのだ。
★
インプットでまずやるべきは「ゴール設定」だ。ゴールとは「目的
と目標」のワンセットだ。インプットの際は「何のために行うのか
(目的)」「どのレベルまで行うのか?(目標)」の2点が重要だ。
ゴールが明確なら、途中でノイズ(ゴールには関係がない情報)が
入ってきても脱線しない。だからムダな時間を防げる。ゴールがな
いと、情報を集めても頭に入らないから活用しにくい。
ゴールに即した情報を集めるには「捨てる情報」を明確にするべき
だ。「情報を捨てる」というスタンスを持たずにインプットし続け
れば、手元には情報ノイズばかり集まることになる。
★
疑問点を解消するだけの調べものを除き、情報の中に答えはない。
自分の頭で仮の答えを作り(仮説)、情報を集め検証していく中で
答えが見えてくる。それが仕事の本質だ。
検索結果に答えを見出そうとするのではない。事前に仮説を立てる
ことで「筋がよいインプット」ができる。仮説という筋道を脳内に
敷くことで、ノイズに邪魔されずインプットできるのだ。
常に、自分の衝動から始まる興味・関心を1つの仮説として持つべ
きだ。脳内に付せんを貼るイメージだ。そうすれば、ノイズに邪魔
をされることなく、最速で得たい情報に到達できるはずだ。
★
常に興味・関心を仮説として頭に描いておくべきだ。そうすること
で求める情報が脳内の付せんに引っかかりやすくなる。書店に行っ
ても、それに関連する書籍が目に飛び込んでくるはずだ。
このように自分にとって重要な情報だけを選択して知覚する現象の
ことを「選択的知覚」という。これができれば複数の情報の中から、
自分にとって重要な情報だけを選択して知覚できるようになる。
たとえば「カラーバス効果」と「カクテルパーティー効果」がある。
興味・関心を持ったことで仮説をってれば、脳が大量の情報の中か
ら選択的にふるいにかけてインプットしてくれるのだ。
インプット前に「どこにフォーカスしてインプットすべきか」いわ
ば「付せん」を脳内につける作業こそが仮説というわけだ。インプ
ットは仮説から始めるべきなのだ。
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