1.官僚との円滑なコミュニケーションのために
この連載では、官僚や政治家など数々のステークホルダーと皆さんが連携し、一緒になって政策づくりをする方法をお伝えしてきました。これまでご紹介した官民連携の成功事例をお読みになった方であれば、政策を変えていくためにステークホルダーと粘り強くコミュニケーションをとることが、成功の基本であることを理解しているのではないでしょうか。
現場で政策の影響を受けている民間の皆さんの立場から率直に意見を伝えてもらうことは、次の政策のうち手を考える官僚にとっても有益です。民間と官僚との積極的な意見交換はよりよい政策を作るためには必須です。
一方で、官民の間違ったコミュニケーションが時に不祥事となり、紙面をにぎわせてしまうこともあります。
歴史をたどれば、昭和60年前後にはリクルート事件がありました。この事件では、リクルート社が元労働省職業安定局長などに対し、就職情報誌に関する法規制の検討状況を教えてもらうことや、就職情報誌の規制について、その方法を法律によるものではなく業界の自主規制(=法規制よりも緩やかな措置)にとどめてもらうことを目的とし、飲食やゴルフの接待、未公開株の譲渡を行ったとして元局長などが立件されました。(参考資料:1989年11月24日朝日新聞夕刊総合2面)
また、平成5年~平成9年頃には大蔵省金融不祥事事件もありました。複数の銀行が、大蔵省の金融検査担当者に対し、検査の日にちなど、金融検査に関する情報を漏らしてもらうことを目的とし、接待や飲食代金の付け回しを行ったとして、担当者などが立件されたものです。
(参考資料:1998年9月25日夕刊社会1面)
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