ロシア最後の皇帝ニコライ2世とその家族の悲劇を描いたネットフリックス配信の『ラストツァーリ』は、ロシア革命前後のロシアの混乱を描いていて面白い。
歴史考証が少しいい加減との指摘もあるが、細部にこだわらなければ、帝政から共産主義国家への移行を学ぶ上では勉強になる。
帝国は首都への侵攻を防ぐために緩衝地帯を設けたがる。 中国やロシアが緩衝地帯(バッファー)にこだわるのは、地続きで思想や文化が入り込み国の底辺からじわじわと自分たちの政治基盤を脅かすような社会をつくりたくないからである。 仮に北朝鮮が崩壊したとしても、民主主義国家の設立に中国、ロシア絶対に反対するはずだ。 米国の考え方、文化が韓国を通して地続きとなるからだ。
現在、世界中で注目されているウクライナ問題にも、ロシアの帝国主義政策が影響している。
ウクライナの歴史はロシアと密接に結びついている。 中公新書の『ウクライナの歴史』をかつて読んだことはあるが、一度読んだだけではなかなか頭に入らないくらいウクライナとロシアの関係は深く難しい。 かつては、西半分が旧ポーランド領、東半分がロシア領で、ウクライナは国内に親ロシアと反ロシアが内在している国なので、かじ取りが難しいのである。
ロシアのクリミア侵攻(2014年)で、ウクライナは2州を失った。 ロシアとの貿易もさらに減少し、経済的には厳しい状況が続いている。 フランスのマクロン大統領が訪ロして打開策を見出そうとしているが、先は見通せない。
ウクライナ情勢など関係ないと思っている方も多いと思う。 しかし、実は日本人の生活に直結する問題なのである。 例えば原油だ。 田舎では車の所有が一人一台は当たり前。 運送業だけでなく個人の生活にも影響が大きい。 加えて北国では灯油の値上がりも生活に直撃する。
原油高騰の原因は様々あるが、ウクライナ情勢が悪化すれば、レギュラーガソリンが1リットル190円になる可能性も出てきている。
米国との共同歩調はある程度必要だ。 だが、ウクライナ問題は、日本の国益とは直接……
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