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菅首相のわずか1年の退陣で考える、「自民党」という組織とは何なのか? ~6~  派閥政治

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 菅首相のわずか1年の退陣で考える、「自民党」という組織とは何なのか? ~6~  派閥政治 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「新型コロナ対策に専念したいので、自民党総裁選挙には出馬しない。」  2021年9月3日、菅義偉総理大臣(当時)が、二階俊博幹事長の交代を含む、党役員人事の一任を取り付けるために開いた臨時役員会において、こう語った。 現職総理の突然の表明に、自民党内には激震が走った。そして、その後に行われる総裁選の構図が一変する。主要派閥が一斉に菅支持に動き、わずか数日で流れが決まった2020年の総裁選とは大違い。  臨時役員会議室は自民党本部8階の会議室で、当日午前11時半から始まり、菅首相の一声の後、わずか10分で終わる。その後、菅首相だけは会議室を後にし、ほか役員会の面々は部屋に残る。  直後、現場にいた記者たちにも情報が伝わる。  「総理、総裁選不出馬です! 臨時役員会で表明!」  記者が驚くのも、もっともだった。首相は前日、二階幹事長と会談したとき、総裁選へ立候補する意向を伝えたばかりだったからだ。すぐさま、別の記者にも同様の報告が入る。  そして、午前11時49分、  「菅首相 自民党総裁選挙に立候補せず 自民党臨時役員会で表明」  速報により総裁選の構図は大きく変わった。現職の総理総裁である菅氏に対し、いち早く立候補を表明していたのが岸田文雄現首相。  一方、高市早苗氏は、8月に発売された月刊誌に寄稿、菅政権の経済政策を強く批判していた。高市氏はどの派閥にも所属いていなかったものの、しかし20人の推薦人の確保に自信をみせる。  高市氏を支持する議員の中には、安倍晋三氏も含まれていた。安倍氏もまた、自身の政権を引き継ぐ菅氏を支持することを周辺に語っていたが、しかし菅氏の立候補の断念を受け、高市氏を支援する意向を、高市氏本人や出身派閥である細田派幹部に伝える。  つづいて、河野太郎規制改革担当大臣が名乗りを上げた。河野氏は、菅氏が立候補断念を決めた40分後に動いた。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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