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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第464号2022.2.8配信分
●『明日は今日より良くなる』誰もが希望を持っていた
くどいようだが、日本の総人口は2008年に1億2808.4万人を記録
してピークアウトしている。2021年8月(令和3年)の確定値では
1億2544万人と約250万人の減少した。そこまでのプロセスを追う
と終戦の1945年(昭和20年)が7214.7万人。高度経済成長ピークの
1970年(昭和45年)は1億0372万人で65歳以上の高齢者は731万人
で7%比率に留まっている(総務省統計局)。
私がこの記述を繰り返すのは、1970年が自動車人の始まりである
からだ。18歳で運転免許証を当然のように取得したのは多分時代の
空気からだろう。高度経済成長期であり、今と比べれば社会全体が
圧倒的に貧しかったけれど、右肩上がりの成長曲線は急で『明日は
今日より良くなる』と誰もが希望を持っていた。
もちろん、良いことばかりではない。近くを流れる多摩川は下水
道の不備から生活廃水に汚染され、流れ着く東京湾は全国有数の京
浜工業地帯からの産業廃水も合わさってヘドロ塗れ。どす黒い水に
江戸前の魚介類は絶滅が危惧された。
工場から排出される煤煙は陽光を遮る光化学スモッグを生成し、
高校の朝礼時に生徒がバタバタ倒れた記憶も鮮明だ。およそ40年遅
れで高度経済成長期に入った中国を白眼視する若い世代も珍しくな
いが、経済発展を優先するあまり環境劣化が深刻化するのは通過儀
礼のようなもの。西洋の先進諸国も漏れなく経験していることであ
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