松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2022年2月18日発行 /Vol.503(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.松尾さん、少し前に携帯を触らないようにしていた気がするのですが、最近はどうですか? 私も、SNS疲れをしてきたので手放したいのですが、気づけば触ってしまい、気づいたら時間が過ぎていて後悔ばかりしています。このままでいいのでしょうか。(30歳、女性)
A.ずぶずぶです……。やはり、こういう場所に物を書きながら、調べ物となると、たとえば映画のことを書こうとすると監督や女優の名を確認するという作業が必要となり、ウィキペディアに頼るのですが、そのたび、いちいちネットのウィンドウに切り替えるのがめんどくさくて、ついスマホに触ってしまうのです。あと、インスタを見てしまいますね。
日本人というより、海外の誰でもない人の投稿がおすすめに上がると、なにが書いてあるのかわからないけど見てしまうのです。この人、何人なんだろう? 何を求めて、こんな写真をアップしているんだろう? 日本人なら、なんとなく想像もつくのですが、
どこの国なのか、見たこともない文字を使う外国人が、ただ車に乗っているだけの自分を自撮りしているだとか、大量の魚を放流している姿だとか、うーん、目的はなんだろうなあ、って思ってしまうし、そういう有名人でもない見知らぬ外人の生活が全世界的につまびらかにされている状態って、すごく不思議だなと思って見てしまうのです。誰でもない、っていうのがみそなのです。
携帯ゲームを寝る前にかならずやるのですが、寝る前に時間を無為で塗りつぶしていく感じ、悪くはないなと最近は思い始めています。
Q.妻と結婚して、彼女は食事のときに味噌汁がなくても平気な人で驚きました。育った家の食卓事情ですし、文句があるわけではないのですが、必ずセットで食べてきた人間としては、物足りなくないのか不思議です。松尾さんは2回結婚されていますが、パートナーとの感覚の違いに驚いたことはありましたか?(41歳、男性、会社員)
A.とにかく、ものをこぼすことに厳しいです。最近も、わたしが薬を飲んだあと、粉がテーブルに散っているのを散々指摘されます。じぶんは、いかに薬の粉がテーブルに散ることに鈍感であったか思い知らされます。汚れる前に汚れないようにするということを、やってきてないんです。汚れが気になったらどうにかする、で、生きてきたのです。
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