インフレ通貨ドルは買いか売りか
「象徴的な1月CPI発表時の市場の反応」
主要国の中で最もインフレが進み、積極的な利上げが予想されている通貨が米ドルです。1昨年からドル高傾向が強まりましたが、最近は利上げが迫っているわりにドルの動きが不安定になっています。ウクライナ危機など、地政学リスクによって、退避通貨、安全資産が買われやすくなっている面はありますが、ドルも世界の中では安全資産、安全通貨のはずです。そのわりにドル高が進みません。
市場の混乱を象徴する動きが、1月の米国CPI発表時に見られました。現地2月10日朝に発表された1月の消費者物価は前月比0.6%、前年比7.5%の上昇となり、市場予想を上回り、40年ぶりの高い上昇となりました。この時の市場の反応は、まずドルが買われ、主要6通貨に対するドル指数は前日比0.5%の上昇を見せました。金利が急上昇したこともあります。
しかし、その後すぐに流れが変わり、むしろドルが下落し、一時は前日比0.4%の下落まで売られました。そして最後はほぼ前日並みの水準に戻りました。予想以上に高いインフレ率を見て、市場はドル買い、ドル売りと狼狽しました。インフレ懸念による金利上昇期待がドル買いを誘った一方、インフレ通貨ドルを売る動きも出たと見られます。
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