━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
佐々木俊尚の未来地図レポート 2022.2.28 Vol.693
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.pressa.jp/
【今週のコンテンツ】
特集
ブロックチェーンは「アンチ中央集権」の夢を見るか?
〜〜GAFAとWeb3はどこへ行く(後編)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■特集
ブロックチェーンは「アンチ中央集権」の夢を見るか?
〜〜GAFAとWeb3はどこへ行く(後編)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回までに書いてきたように、ウェブ2.0で誰でも情報を発信できるようになり、「アンチ中央集権」になったインターネットは、2010年代になってAIによる最適化が進み、ふたたび「中央集権」へと回帰してきています。そうなれば当然のように、「アンチ中央集権」へと揺り戻そうとする動きも出てくるでしょう。それが今話題になっている「ウェブ3」のムーブメントであるとわたしは捉えています。
ウェブ3は、ビットコインで有名な技術ブロックチェーンを中心に考えられている新たなネットの枠組みです。ビットコインは必ずしも「アンチ中央集権」だけを目指して設計されたわけではなく、ブームに乗った人たちもそうは意識していなかったでしょうが、GAFAのようなビッグテックへの批判が高まってきた中で、ブロックチェーンが「アンチ中央集権」への期待と連携する形になり、ウェブ3という概念に結実してきているのではないかと考えます。
ブロックチェーンをごく単純化して説明しておくと(知ってる方には今さらでしょうが)、「あらゆる取引が記録されている台帳」です。そしてこの台帳は、
ビッグテックが独占所有しているのではありません。ビッグテックのサーバーに保存されているのではなく、インターネットで相互につながった無数のコンピューターに、分散して保存されています。1台の台帳をこっそり改ざんしたとしても、他のコンピューターの記録と一致しなければ、その改ざんは許容されません。分散することによって、改ざんが非常に困難になり、それが台帳の情報が正しいことを担保しているのです。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)