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週刊金融日記 第511号 核保有と大学での軍事研究のすゝめ、プーチンは核の使用に踏み切るか

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
// 週刊金融日記 // 2022年2月28日 第511号 // 核保有と大学での軍事研究のすゝめ // プーチンは核の使用に踏み切るか // 丸の内はマン防で半分ぐらいお店が閉まっています // 日本で成績優秀な理系は医学部進学が正解 // 他  こんにちは。藤沢数希です。  ロシアによるウクライナ侵略戦争がはじまり、いままさに世界の歴史が動いています。こうしたことに詳しい専門家の多くが、そもそも全面的な侵略戦争など予想していなかったのですが、その全面戦争がはじまると、圧倒的な軍事力を持つロシアに対して、すぐに首都キエフなどが陥落し、ウクライナはすぐに降伏するだろう、と思われていました。コメディアン出身のゼレンスキー大統領は、強面のプーチンに脅され、すぐに国外逃亡するのではないか、と。  しかし、フタを開けてみれば、ウクライナが圧倒的に善戦しています。そして、ゼレンスキー大統領は、いまや祖国を守るために立ち上がる、世界的なヒーローとなっています。 ★ゼレンスキー大統領はSNSを効果的に使い、瞬く間に世界の世論をウクライナの応援団にしてしまいました。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1497579458118955008 ★親プーチンのベラルーシはウクライナ侵略戦争に加担するようですが、ゼレンスキー大統領と違い、こちらの大統領は見た目が悪人です。これでは国際世論は、ますますロシアとベラルーシが絶対悪ということになると思います。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1498160161902727171  ウクライナ軍が善戦している理由のひとつが、ジャベリンという米国製の対戦車ミサイルが次々と領土に侵入してくるロシア軍の戦車に命中していることのようです。 ●対戦車ミサイル「ジャベリン」とは https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220226/k10013502311000.html  米欧がロシアの金融機関をSWIFT(国際金融決済網)から締め出すことを決め、また、ロシアが保有する米国債や英国債、ユーロ域内債などが凍結されることになりました。こうした週末に決まった苛烈な経済制裁により、ロシアの通貨であるルーブルは暴落し、本日月曜日には、ロシア国内では銀行の取り付け騒ぎが起こっています。  一夜にして、ロシア経済は金融的に破壊されたと言っていいでしょう。 ●「金融版の核兵器」ロシアのSWIFT排除で何が起きるのか。破壊的制裁の解除にはプーチン政権交代必要か【Q&A】 https://www.businessinsider.jp/post-251139  このように、ウクライナが善戦すればするほど、世界が一致団結して経済制裁を加え、それが成功すればするほど、プーチンは追い詰められていき、世界は核の脅威と対峙することになります。まあ、専門家は核は使われないのではないか、と言っているので、安心していいかもしれません。 ●プーチン氏は核のボタンを押すのか BBCモスクワ特派員が考える https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60554540 ★追い詰められたプーチンが核を使えば、その時こそ、プーチンが完全に終わるときでしょう。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1497928590444609536 ★核の前に、この原稿を書いている最中ですが、まずはウクライナの都市に無差別砲撃を開始したようです。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1498272063970488321  今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。 - 成果は出すが態度が良くない部下への接し方 - 試験が得意な人が優れている能力は試験が得意なことなので進学は医学部がベストです - 女性に「未来は明るいと思いますか」と聞かれたのですがどう答えれば良かったのですか - 3年に及ぶP活レポート - 歯列矯正についてのバックナンバー - 所長のように物事の本質を掴むにはどうすればいいのでしょうか  それでは今週もよろしくお願いします。 1.核保有と大学での軍事研究のすゝめ  ロシアが堂々と侵略戦争を開始し、ウクライナは蹂躙されております。この侵略戦争がどう決着するのか二転三転しておりなかなか見通せませんが、やはり核を保有していないとこういう侵略戦争をやられてしまうというのは現実なのかもしれません。正直、僕はこういう地政学などの分野は素人なんですが、かつて海外で研究者をしていた経験から、やはり日本もふつうの国になったほうがいいのではないか、と改めて思いました。ふつうの国とは、戦争が起こることを前提として制度設計されている、ということです。  日本は理系の大学院生たちの環境が、西側諸国やこうした西側諸国をモデルにて大学を運営している中国などと比べると、いかんせん貧しいのです。それはなぜか? それは日本の大学が軍事研究と関わらないからなのです。今回は軍事研究が学生にとっていかに素晴らしいものなのか力説したいと思います。  だいぶ昔の話ですが、10年以上前に民主党が政権を取り、事業仕分けと称して税金の無駄をなくそう、というときに世界一の演算速度を目指すスーパーコンピュータ開発のプロジェクトがやり玉に上がり、話題になったことがあります。その際にブログ記事を書いたのですが、自分で読み返して、いろいろ思い出しました。 「核兵器は簡単に実験できないからシミュレーションが主役になるのです。そのうえ核兵器の開発競争で仮想敵国に敗れたら大変だ、などと言えば、政治家も国民もみんなお金を出さざるをえないので、アメリカでは核関連の研究費は湯水のように付きます。スパコンは核兵器開発のために発展してきたのです。」 -- スーパーコンピュータと核兵器と私 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51619563.html  先週号では進化生物学の話を書きましたが、竹内久美子氏などが言うには、非モテ理系男子たちがなぜ自然淘汰されずに生き残ってきたのかを説明する有力な仮説に血縁淘汰理論があります。非モテ理系男子たちは自分が属する血縁集団が戦争で勝ちやすいように武器を開発したり、戦略を練ったりして、その集団が生き残ることに貢献したため、間接的に血縁者の繁殖を助けることによって自らの非モテ遺伝子を残すことに成功してきたのではないか、という仮説です。 『週刊金融日記 第92号 血縁淘汰理論』

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