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佐々木俊尚の未来地図レポート 2022.3.7 Vol.694
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【今週のコンテンツ】
特集
「戦争は現場だけで起きてるんじゃない。メディア空間の中でも起きているんだ」
〜〜ウクライナ侵攻に見る「リアル空間がメディア空間に拡張している」現実
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
「戦争は現場だけで起きてるんじゃない。メディア空間の中でも起きているんだ」
〜〜ウクライナ侵攻に見る「リアル空間がメディア空間に拡張している」現実
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2010年代になってからの顕著な流れですが、世界的なできごとが起きると動画や写真、音声、専門家の分析、地元の人たちの悲鳴など、ありとあらゆる情報がインターネットで渦巻きながら流れていくようになりました。新型コロナ禍もそうですし、ロシアによるウクライナ侵攻でも同じようなことが起きています。
ただ今回のウクライナ侵攻がコロナ禍と異なるのは、大量の「情報戦」が展開されていることです。ロシア側は「ウクライナのゼレンスキー大統領はネオナチ」「東部ウクライナで親ロシア住民が大量虐殺されている」とフェイクニュースを流し、いっぽうでウクライナの側でも、国民の士気を高める目的もあるのでしょう、「キエフの幽霊」という実在が疑われている撃墜王の英雄物語が生み出され、また捕虜になったロシア兵の情けない様子の動画などもたくさん流されています。
このような情報戦に駆使される「力」は「シャープパワー」と呼ばれ、相手に情報操作などを行って世論に影響を与えようとするものです。おもにロシアや中国という二つの新興超大国が積極的に取り組んでいるとされています。
これはもともと、アメリカのジョセフ・ナイという政治学者がとなえた「ソフトパワー」という言葉から来ています。他国に影響を与えるには、軍事力や経済力などの強い力であるハードパワーだけでなく、文化や教育といった柔らかい力が必要で、これをナイはソフトパワーと呼んだのです。
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