2022年 第 10号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
あの日から11年。
毎年、3月第二週のこのメルマガは、3・11で被災された人たちの
追悼からはじめている。しかし区切りの10年と11年目では、国民
の受け止め方も違うのだろう。10年一区切り、という言葉もあるわ
けだし、テレビも新聞も、だいぶ3・11の扱いが小さくなっている。
無論今は、刻一刻と変わるウクライナ侵攻が先行するのは当然だが。
でも、当たり前だが、当事者たちに終わりはないよね。
福島第1原発事故による、未だ避難指示が解除されていない337
平方キロメートル。未だ3万8000人もの人が避難を続けている。
11年、避難生活。
復興庁によれば、震災・原発事故に伴う避難での衰弱死など、震災
関連死と認められた人は、3784人という。
震災関連死。
「災害弔慰金の支給等に関する法律」を内閣府は制定している。
災害弔慰金は、家族を亡くした遺族に対し、自治体が支給することに
なっている。直接死ではなく「関連死」でこの弔慰金が支給された例
として、被災後に通院できずに持病を悪化させて死亡した例や避難所
で感染症に罹って命を落とした例や、家族を亡くしたショックなどで
精神疾患等を患い自殺に至った例などが挙げられるという。
一方で、「震災関連死」と認められなかった死は、認められた死より
も何倍も多いことは想像に難くない。
ノンフィクションライターの山川徹さんが先月上梓された『最期の
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