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ビジ選☆リーダーズ Vol.941『新版 ハマトンの知的生活』(P.G.ハマトン)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■知的生活を送る秘訣 知的生活の真髄は、科学的かどうかとか、表現の仕方が完璧かという ことにあるのではない。常に、より高度な思考をしようとすることに こそあるのだ。 知識の有無は関係ない。科学が、まだ進歩しておらず、教養の足しに なる文学もほとんどなかった時代であっても、プラトンのように知的 に生きた人々がいたこと考えれば納得できるはずだ。 プラトンの時代に比べれば、現代社会は教養を身につける環境はずっ と整っている。それでも、プラトンほど知的にものを考えている人は 決して多くない。 人を知的にするのは、身につけた学識で決まるわけではないのだ。生 き生きと、美しくものを考えることに喜びを感じる一種の徳なのだ。 道徳心の強い人が、美しいふるまいに喜びを感じるのと同じだ。 ★ 知的に生きるとは、何かを成し遂げることではない。むしろ高邁で純 粋な心理を熱烈に求める精神の状態のことをいう。いくつかの真理の 中で、常に毅然として高貴な選択をする姿勢をさすのだ。 知的に理想的な生き方とは、常に毅然で巧みに、このような選択をす ることを意味する。ただ、周到な知恵や明晰さが欠けていれば、しば しばヘマをして、失敗してしまう。 そんな時でも、自分の向上心は失われなかった。至高の知性に少しで も近づけたという確信を心の内に抱くべきだ。知的な探究の魅力は、 ここにあるのだ。 少しでも宇宙の理法を解き明かし、すでに知っていることに確固たる 信頼を抱かせる。だから、知らないもの、知ることができないものを 支配する神の法則に確信が持てる。これこそ知的探求の魅力なのだ。 ★ 時間を無駄なく活かすべきだ。一番いい方法は、学んだり、行なった りする時「完全にものにするのだ」という強い気持ちで臨むことだ。 限界が見えたら、いさぎよくそれを認めてしまうことだ。 知識や技術には、習熟にするに従って、身につけたものが実際に役立 ち始める一定の時点がある。そこに至るまでに必要な時間と決意がな ければ、努力してもすべて水泡に帰してしまう。 不完全にしか修得していないために、いつまで経っても役に立たない 知識や技術がいくつかあるはずだ。たとえば、話せも書けもしない外 国語や基礎が身についていない科学、誰も満足させない技芸などだ。 こうした不完全なことの習得に費やされた時間は、大部分無駄に費や されたのだ。今後も続けるなら、完全かつ正確に体系立った知識を身 につけるべきだ。ものにできそうもないなら、断念するべきだ。 ★ 徹底的に時間を節約したいと思うなら、自分が打ち込んでいる様々な 研究のリストを作り、それぞれについて、正直にその不完全さの度合 を書きつけるべきだ。 こうすれば、今取り組んでいる研究のうち、どれなら完全にものにで きるかが一目瞭然でわかる。ものになりそうな研究が決まれば、他の 研究は断念すればいい。こうすれば時間節約ができる。 断念せず、これからも研究し続けることについては、どの程度まで研 究を押し進めるか、その厳密な限界を設定するべきだ。完全な教養を 身につけるには、明確な限界を設定することが望ましいのだ。 自分の住む地域の植物相が知りたくなって植物標本集を作ろうと取り 掛かる人は、とにかく世界中の植物について際限なく研究しようと思 う人より入念な仕事をするはずだ。また、希望も持てるはずだ。 互いに補う研究をするのも、効果的な時間の節約になる。風景画家が、 自分の仕事をする地方の植物を知ることは、大いに役立つはずだ。植 物の知識があれば、植物の種類も記憶しやすいからだ。 複数の学問に筋を通し、調和を図ることだ。それが時間配分の秘訣だ。 中心的な研究をひとつ決め、補助的研究をいくつか手掛け、補助にな らない研究には一切手を出さないことが、研究配分決定の則なのだ。

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