久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」
毎月第1-4 火曜日発行 vol.78 2022/03/15 発 行
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4.久米のイチオシ
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歴史新解釈アニメ「平家物語」
またしても日本のアニメ文化の奥深さに心打たれております。
なにしろ主役の少女「びわ」は琵琶法師。しかも、色の違う片目で未来(さき)が見えるというのですから。
しかも、にっくき親の仇、平家の心優しき当主 平 重盛に出会い、一緒に暮らすというのですから。
800年の時を超える祈りの物語
《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ――日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。
もちろん、平家物語にヒントを得た、空想のファンタジーであります。
しかし、ところどころで「びわ」が奏で歌う平家物語の一節が、このアニメだからこそ、心にすっと入ってくるのです。
おごる平家は久しからず。
今日の世界を眺めて見れば、今をときめく新大国や新興IT企業が、まばゆい輝きで目に飛び込んできます。それらを率いるリーダーたちも。
果たして「びわ」が語る「諸行無常」の歴史法則は、現代においても繰り返されるのでしょうか。
もし「びわ」が不思議な片目で、そのリーダーたちを眺めたら、どんな未来(さき)が見えるのでしょうか?
また「平 重盛」の悲しい片目で、そのリーダーたちを眺めたら、無念のうちに失脚し、また命を落とした死屍累々の無念な姿が見えるのでしょうか?
ああ、色の違う片目を持っていなくてよかった。私は未来も亡者も見たくはありません。
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