メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

【Vol.421】冷泉彰彦のプリンストン通信『危機の中での核管理』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「背番号が消えてゆくヤンキース、消えない在阪球団」  アメリカのMLBは、ようやく選手会とオーナー側の交渉が妥結して、今 季のプレーが見られることになりました。  簡単に内容を確認しておきますと、 「ダブルヘッダーの7イニング制度は廃止」 「延長戦の無死二塁タイブレークも廃止」 「ポストシーズンは12チーム参加(2020年のシステムに近い)」 「ワンゲーム・プレーオフ廃止」 「NLもDH採用。全MLBで、大谷以外の投手は打席に立たないことに」 「ベースのワイド化、内野シフト禁止、投球時間制限は今季は実施せず」  というルールで、各チームの公式戦がフル162試合で行われます。ロッ クアウト終了に伴い、契約関係の動きも急となりました。菊池雄星投手はト ロントに移籍、ヤンキースでは個人的に期待していたウシェラがサンチェス と一緒に放出となりました。  そのヤンキースですが、今回、新しい永久欠番が発表されました。20世 紀末の「ダイナスティ」と言われたジョー・トーレ時代に活躍したポール・ オニール元外野手の「21」が選定されたのです。アメリカでは、永久欠番 のことは「番号の引退」という表現がされます。その欠番ですが、これでヤ ンキーズの場合は、 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、20、21、 23、32、37、42、44、46、49、51」  ということで、「どんどん番号がなくなって」しまうという現象が起きて います。現時点では、1桁は全部が欠番。そして10番台で使用可能なのは 「11、12、13、14、17、18、19」だけという状況です。  まあ客観的に見れば困った状況かもしれませんが、ヤンキースのファン心 理としては、「別にジャッジ選手が99番でスーパースターになったんだか ら良いじゃないか」という感覚があります。つまり、将来的に殿堂入りレベ ルのビッグな選手が出てきたとして、97とか、118といった番号を付け ていても、むしろその選手の人気に引っ張られて「大きな番号でもカッコよ く見える」だろうというわけです。  それよりも、歴史に残る選手は欠番にして、本当に歴史に残してしまおう というのが、ヤンキースのファン心理であり、球団はその辺を心得ているの だと思います。  これと対極なのが、日本の在阪球団のケースです。これがヒドいのです。 「阪神タイガース」・・・藤村の10、村山の11、吉田の23 「オリックス・バファローズ」・・・なし  阪神の31、オリックスの1、7、11、17、51とかを欠番にしない というのは、野球というスポーツをナメているとしか言いようがないと思い ます。  ファンの皆さんの中には、実は色々な経緯があってということで理解され ている方もあるのかもしれませんが、私には信じられません。(続く)

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 冷泉彰彦のプリンストン通信
  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
  • 880円 / 月(税込)
  • 毎月 第1火曜日・第2火曜日・第3火曜日・第4火曜日