■■ 2022/03/16 ■■
兵頭正俊の優しさ出前
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遙かなる未来に続く、解きほぐせない困難 (その3)
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アンドレア・ケンドール=テイラーとデビッド・シュル
マンの指摘する中ロ関係緊密化の問題点
1 アメリカの中国認識の立場は割れている。「一般
に、中ロ関係の距離は埋まらず、不信感も払拭されず、
両国は一定の距離を保ち続けると長く考えられてき
た」。いかにもアメリカらしい。都合のいいように解釈
し、のんびりとしている。「要するに、懐疑派は、中ロ
の緊密化についての懸念は度が過ぎているし、両国が公
的な同盟関係に入る可能性はあまりないと主張してい
る」とした。
2 すでに、中ロ関係は、わずか数年前に専門家が予想
した以上に深化している。中ロが協力すればアメリカの
利益にかなりのダメージを与えることができる。
3 アメリカの政策決定者が考えるべきは、これからこ
の中ロ二国間関係がどの程度深化していくかだ。
4 それがアメリカの利益にどのような影響を与える
か。
5 そしてこの環境でどのような路線をとれば、アメリ
カと他の民主国家に与える悪影響を緩和できるかだ。
ここでアンドレア・ケンドール=テイラーとデビッド・
シュルマンの分析する中ロの絆をまとめておく。
1 冷戦終結以降、中国とロシアは、現状に対する不満
と反発を長く共有してきた。両国はアメリカそしてアメ
リカが支配する秩序に居心地の悪さを感じ、「自国にと
ってこの国際秩序は不利だ」と考えるようになった。
2 当初は、このような不満から手を組んだ中国とロシ
アだったが、その後、交流を重ねることで、より奥深
く、永続的なパートナーシップを育んできた。
3 中国の王毅外相が2019年3月の記者会見で指摘した
ように、北京とモスクワの関係は次第に「着実で成熟し
たもの」へ進化している。
4 北朝鮮問題からイラン核合意までの、両国の利益認
識が重なり合う案件をめぐって協調を重ねるにつれて、
奥深く永続的なパートナーシップの基盤が築かれつつあ
る。
5 アーロンが強調するように、ロシアのプーチン大統
領と中国の習近平国家主席の個人的な関係が、両国間の
協調を刺激しているのは事実だろう。ふたりはかなりの
頻度で会っている。
6 より重要なのは、政府のあらゆるレベルでの交流が
進められているだけでなく、投資、交通機関、スペース
ナビゲーション(宇宙航行)、軍事転用のポテンシャル
を秘めたセンシティブテクノロジーの開発などの領域で
両国が緊密に連携していることだ。
7 こうした広範で拡大を続けるモスクワと北京の協調
基盤は、プーチンや習の時代を超えて維持されるだろ
う。
さて、アメリカにとってとても困難な問題は、こういっ
た二国関係をアメリカ自身がもってこなかったし、理解
出来ないということだ。
理解出来ればほぼ対策は構築したも同じだ。しかし、基
底にマルクス・レーニン主義を共通して宿すこの信頼の
厚さは、アメリカの政治家のものではない。むしろ警戒
し敵視するべき政治思想である。
そこが最大のアメリカ政治の弱点だ。しかもそれを理解
出来る同盟国すらアメリカはもっていない。
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