1.はじめに
政策というものは、あるべき社会像を実現するために、法律、予算、税制、執行、広報など、性質や効果の異なるツールを組み合わせたものであることはこれまでも(第1回:そもそも「政策」とはなにか)説明してきたとおりです 。
コロナ禍の政策を例にしてみましょう。
新型コロナウイルスワクチンを無料で受けるための費用を支出したとしても、そのワクチンを打つ医療者やワクチンを医療機関まで運んでくれる手段も同時に確保しなければなりません。また、新型コロナウイルスワクチンの副作用が怖くてワクチンを受けない、という方も多くいます。その不安を解消するために、ワクチンを打つとどんな効果があり、どの程度の副作用が発生するのか、ということを周知しなければいけません。
この政策の中には
予算(ワクチンを無料で受けるための費用)
執行(医療者や運搬手段の確保)
広報(ワクチンの効果・副作用の適切な周知)
が含まれています。
このように、解決したい社会問題に合わせて、ツールを適切に組み合わるのが政策なのです。
今回取り上げる政策ツールは議員提出法案です。
聞いたことがないという方もいるかもしれませんので少しだけ初めに解説します。
法律を作るには2つのルートがあります。一つは内閣提出法案といって、政府の官僚が法案を作成し、各省の大臣などを構成員とする内閣が、閣議決定(※)して国会に出した法律案のことをいいます。閣法とよばれることもあります。
※閣議決定とは
内閣が意思決定のために開く会議。政府の方針を定める会議としては最高レベルです。定例閣議として火曜と金曜、その他重要案件に対応するための臨時閣議やサインだけ集める持ち回り閣議があります。全会一致が原則ですがあくまで慣例とされています。
参考:首相官邸リンク
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