ロシアを守るか、失うか　（その2）

■■ 2022/03/21 ■■ 兵頭正俊の優しさ出前 ～３分でマスメディアとは違ったステージに招待します ～ ■■■■■■■■■■■■■■ 内容のレベル:中高級者向け発行人 ：兵頭正俊登録解除 はここから http://bit.ly/AvYMkY　 ━━━━━━━━━━ 　ロシアを守るか、失うか　（その2） ━━━━━━━━━━ モスクワはウクライナ介入をめぐってロシア人が入手で きる情報を厳しく統制している。これまで市民は沈黙を 守ってきたが、通貨・ルーブルが暴落し、国際的な孤立 が深まり、モスクワも認めているように、実際に何百人 ものロシア人が犠牲になっているいまや、政府がこのま ま幻想を語り続けるのは難しいだろう。いまのところ、 パニックが広がっているわけではない。だが人々は価値 が下がりつつあるルーブルを交換可能通貨に換え、耐久 消費財を購入しようと躍起になっている。モスクワその 他の都市では、予想外の抗議行動も起きている。モスク ワが現在憂慮している問題は、もし凄惨な戦争が長期化 し、軍がより多くの大砲の砲弾を必要とするようになれ ば、ロシア市民がこの戦争をどう受け止めるようになる かだろう。 プーチンを取り巻く安定面・積極面には次のようなもの がある。 1　ロシア市民のプーチン支持率は着実に上昇。11月に 63％だった支持率は２月には71％へと、順調にここ数 年のピークに達した。 プーチンの否定面 1　ルーブルが暴落し、ロシアの国際的な孤立が深ま る。 2　SWIFT包囲による政治的経済的な制裁 3　プーチンはすでにウクライナを失っている。 4　賃金や雇用、必需品や医薬品へのアクセスが失われ るとともに、ロシア社会のムードは変化し、状況は一変 していく可能性がある。 この戦争の結果、プーチンはロシアも失うのだろうか、 それともロシアを自分とともに自滅させるのだろうか、 とグレンコ・アンドリーの描写は暗いが、そうでもな い。それは次の理由による。 1　モスクワの政権を狙う2番手がいない。ある意味、 プーチンは安心して政治の舵を握っている。 2　ロシアの経済は日本ではほとんど報道されないが天 然資源など中国貿易中心は順調に展開している。