かたや上方では「猛威を振るい続ける高インフレ」という「どす黒
い暴風雨の雨雲」、かたや下方には「金融引き締めによるリセッシ
ョン入り」という「ぬかるみ」。
たとえるならば、今のパウエルFRB議長は、この二つの天(暴風
雨の雨雲)と地(ぬかるみ)に挟まれた「狭い狭い空(そら)の間
(はざま)」を飛行する飛行機の機長です。
飛行機は今のアメリカの実態経済そのもの。
議長は、この狭くて見通しの悪い天候の中で、手動で、どこか安
全な草原を探し出して不時着(=経済のソフトランディング)を
模索するパイロットのようです。
高インフレを抑え込もうと金融を引き締めれば、飛行機は「ぬか
るみ」に突っ込みそうになるので、今度は慌てて金融を緩和すれ
ば、再び飛行機は「どす黒い暴風雨圏」に再突入してしまうので
す。そこで慌てて再び金融を引き締めれば、再び「ぬかるみ」に突
っ込みそうになるので、また金融緩和する・・・・そういった「危
ない操縦」を繰り返しながら、おそらく向こう数年くらいかけて、
「ドル暴落」が始まるまで、パウエル機長は安全な草原(=ソフト
ランディング)を探し続けることでしょう。
パウエル機長の苦難は続くのです。
大物経済学者であるローレンス・サマーズ氏が指摘するように、
今後のアメリカの実体経済はデコボコになり、インフレも長期間
2%をはるかに超える水準にとどまることでしょう。
実態経済が大きく失速しそうになれば、アメリカ財務省は、FRB
と協調して新たな財政出動へと打って出ることでしょう。
その結果、今後数年後には「ドル暴落」が始まり、数年後には7
5%くらいの確率でアメリカ経済は長期停滞に陥ることでしょう。
パウエルFRBは向こう数年くらいは「もがき苦しむ」のです。
さて、目先の2022年。
3月21日には、パウエルFRB議長は急速にタカ派転換、いよい
よインフレ退治のために、びしばし政策金利を引き上げてゆくと
宣言しました。
パウエルFRBの金融引き締めは二刀流です!
5月3-5日のFOMCでは、市場の想定以上に「急ピッチで厳し
いQT(量的金融引き締め)」が発表されることでしょう。
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