■モノを減らすだけで人生が変わる
貧乏人の家にはモノが多い。金持ちはテーブルに大量の物を散らかし
たまま食事をしたりしない。不要なモノが置きっぱなしの状態を不快
に感じ、無駄な支出にNOと言えるマインドを持っているからだ。
床に物が散らばっていれば、窮屈でメンタルをやられる。足の踏み場
がないため、またぐのに無駄な体力や意識を割かれ、けがの原因にも
なる。メモリの無駄遣いだ。
正常な判断ができないまま「安物買いの銭失い」で物を増やし、軍資
金が貯まらないと「量より質」にシフトができない。お金がない時、
メンタルがつらい時こそ、物を減らして負のループを断ち切るべきだ。
モノを手放して人生に“余白”をデザインするべきだ。不要なモノを
減らし、少ない固定費、ミニマムライフコストで生活すれば、労働時
間や家事が減る。その結果、生活に余白ができる。
あとは必要な分だけ働き、趣味を楽しみ、悠々自適に暮らす。もっと
お金が欲しければ、浮いた時間でスキルを身につければいい。お金の
ために時間を切り売りしない権利を持つことが幸せの土台なのだ。
★
生きづらさを感じていたり、人生が迷子の状態は、コンパスを持たず
に大海原をさまよい続けているようなものだ。これを解決するには、
できるだけ早いタイミングで自分の生き方をデザインすることだ。
デザインという言葉の語源は「de(削る)sign(示す)」だ。つけ
足して飾ることではない。たとえばiPodやiPhoneは物理ボタンが
少なく、直感的に操作できるデザインで多くの人に愛用されている。
削るほど尖り、尖るほどに大事なものが浮き彫りになる。だからこそ、
大事なものに気づけるのだ。それを大事にできれば、人生から「後
悔」や「生きづらさ」は消えるはずだ。
生き方をデザインするとは、いちいち悩まないで済むよう、何をしな
いか決めることだ。「手放すこと」と「余白を持ち続けること」がで
きれば、人生はイージーモードになるのだ。
★
モノを減らせば人生が変わる。第一にお金が増える。モノへの支出が
減れば、ブラックな長時間労働からも脱出できる。結果「仕事のスト
レス」が最小限になり、無駄な消費やドカ食いからも卒業できる。
そして、時間が増える。モノの消費は、時間の消費だ。モノを買うた
めにシフトを増やさねばならない。モノを減らせば、掃除や家事、メ
ンテナンスの手間も減る。減らすほど趣味や睡眠の時間が確保できる。
さらに、空間の縛りからも解放される。モノを保管するスペースを削
減できれば、よりコンパクトで、家賃の安い物件に引っ越せる。住居
は自由自在に思いのままにできる。
体も脳も疲れなくなる。カバンが重いと疲れるが、荷物が減れば行動
範囲が広がってアクティブになれる。ダイエットも上手くいく。探す、
迷う、選ぶストレスが減り、整理整頓で悩まなくなる。
そうなれば、心にも余裕が生まれる。「なくしたらどうしよう」「今
の生活を維持できるだろうか」といった不安や執着から解放され、仕
事や人間関係も理想的な状態へ近づく。
★
もちろん、モノを持つことは否定しない。モノを手に入れるためには、
努力をしなければならないが、その過程で得られる経験は、人生の役
に立つこともあるからだ。
「これがあるから頑張れる」とモノに囲まれて安心することもたしか
にある。だが、安心するために買い集めたモノたちは、今度は「失う
と自分を保てない」と不安のタネに変わる。
持たない生活を始めると、手に入らなかった欲しいものに囲まれるよ
うになる。それは、物質的なモノや財産でなく、ゆとりある生活、熱
中できる趣味、大切な人との時間など、形のないものだ。
中途半端に手を出すから「物足りない」のだ。それはいわば欲が散ら
かった状態だ。反対に、欲しいものを少なく絞っておけば、欲に忠実
でいられるものだ。
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