日銀の円安誘導は危険な賭け
「ヘッジファンドを歓喜させた指値オペ」
ヘッジファンドは日銀に足を向けて寝られません。日銀の円安誘導策のために、安心して円を売ることができ、大きな利益を上げているからです。日銀様様といったところ。2月24日のロシアのウクライナ侵攻以来、ロシア資源に依存する欧州に大きな負担とみられ、ユーロ安が懸念され、実際当初は1ユーロが1.1ドルを割り込みましたが、その後はむしろユーロより円が売られました。
ユーロは1.1ドル前後で横ばっているのに対し、ドル円は侵攻前の115円から指値オペを通告した28日には125円まで円安となりました。特に3月18日の総裁会見で「円安は日本経済にプラス」と黒田総裁が述べて以来、円安が加速しました。そして米国金利高につれて日本の金利も上昇しましたが、そこへ無制限の指値オペを通告し、長期金利上昇を抑制する姿勢を見せたので、安心して円を売りました。
そしてドル円が125円に達すると、目的達成で今度は円を買い戻し、円が121円台まで戻しましたが、ここでも利益を上げたようです。125円は2015年半ばに当時のオバマ大統領が黒田総裁を介して円安をけん制した水準だからで、節目の水準とみられていました。
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